東海3県の冬の風物詩の一つが、国内最大級のスケールの「なばなの里」のイルミネーションです。今年のメイン会場は中央に「大樹」を置いたデザインで、大自然の壮大で幻想的な姿を表現しました。

 例年会場は混雑するため「密」になりがちですが、今年は様々な仕掛けで感染対策を徹底。「こんな時だからこそ、イルミネーションで癒されたいという人たち」を出迎えました。

■チャペルの鐘で一斉点灯…「密」を避けるため点灯式を止め 色々な場所から見られる形に

 三重県桑名市長島町「なばなの里」。イルミネーションが点灯するのは午後5時からですが、30分前には人がやってきます。

 安心してイルミネーションを楽しんでもらうために、入場の際は、マスクの着用、検温、手の消毒をお客さんに依頼。

 また、例年だと毎日点灯式を行っていましたが、今年は「密」を避けるため一箇所に集まる事無く、色々な場所から点灯が見られる形に変更しました。

 午後5時、チャペルの鐘が…。点灯を知らせる合図です。会場のどこにいても、その瞬間に気付けるようにしました。

 園内はあっと言う間に、きらびやかで幻想的なイルミネーションの世界に。多くの人がスマホで写真を撮り始めます。

 チャペルの前に広がるのは、国内最大級を誇る「水上イルミネーション 光の大河」。木曽三川の流れを光で表します。今年は立体的な演出も加わり、水面に水柱が立つように光が現れ、躍動感が生まれました。

男性客:
「すごくきれいですね。特に今日、雪がちらついていて空気が澄んで一段ときれいです」

女性客:
「めっちゃきれいで最高です。心がコロナのせいで病んでいたので、ウキウキしています」


■明るく前向きな気持ちになれるように…今年のテーマは「奇跡の大樹」

 全長200メートルの「光のトンネル」では、180度オレンジの光が包み、真冬にもかかわらず温かさすら感じさせます。ここでは皆さん様々なポーズで写真を撮ります。

 スマホを地面において撮影している人や、タブレットを手に慎重に歩きながら撮影する人も。皆、思い思いに撮影するのが、ここの楽しみ方です。

 ちなみに、この「光のトンネル」で人気なのは、雨の日の撮影だといいます。地面に落ちた雨が光に反射して、幻想的な雰囲気になるためです。

 そして「光のトンネル」を抜けると現れるのが、メイン会場。今年のテーマは「奇跡の大樹」。幅155メートルの巨大なイルミネーションが織りなす世界の中央には、高さ35メートルの大樹が…。

 花々が咲き誇る「地上の大樹」に…。

 青がまばゆい「海中の大樹」。

 そして、動物たちの楽園をイメージした「天空の大樹」です。神秘的な光の風景が広がり、思わず目を奪われます。

 担当者は「新型コロナの影響で辛い1年だっただけに、絶景を見て、明るく前向きな気持ちになれるよう「奇跡の大樹」をテーマにしました」と話します。

■人を分散させる様々な仕掛けを実施…「密」を避けつつ圧倒的な迫力の演出

 また、例年だと大勢の人が詰めかけ「密」になりがちですが、今年はある仕掛けがありました。

 今年は、より近くで見られる場所にも観賞エリアを設置。見上げるような形となり、その迫力に思わず圧倒されます。

 様々な角度や距離に、観賞エリアを設けることで、人が分散。密を避けることにもつなげていました。

女性客:
「気持ちが少しでも和らいだ気がします。来た甲斐があります」

別の女性客:
「去年は、藤棚より向こう(遠く)だったので近いなって。すごく迫力感じます」

 密を避けつつ、例年以上の見応えを演出しています。他にも、今年新登場のバラをモチーフにした可愛らしい100メートルの光のトンネルや…。

 樹齢100年のオリーブの木と共に輝くのは、青色が美しい「光の海」。

 さらに、クリスタルホワイトとパステルブルーに輝くツインツリーも。この時期にぴったりの雰囲気です。

女性客:
「いつもとは違う雰囲気が楽しめます。癒されますね」

別の女性客:
「今、2年生なんですよ。就職活動の時期で新卒採用中止とかで…。やっぱりイルミネーションって落ち着くじゃないですか。一息つくにはちょうどいいです」

男性客:
「コロナがあって外に出にくいとかもあったけど、こういった所にくると元気もらえたりするのでいいですね」

 東海3県の冬の風物詩「なばなの里」のイルミネーション。そこには、コロナ禍、ひと時の癒しを求めて足を運ぶ人の姿がありました。

 担当者は「このような時だからこそ、お客様に明るくなれるよう、楽しんでほしい」と話しています。