愛知県豊橋市の高校に通う、将来期待のランナー川島実桜さん。3年生となった2020年は全国制覇を期待されていましたが、新型コロナの影響でインターハイは中止、代わりに開催された大会でも本来の力を出しきれませんでした。

 高校生活最後の舞台はほろ苦いものになりましたが、川島さんは、コロナ禍の中でも陸上ができる環境への感謝を口にします。

■高校日本一を目指すもインターハイが中止に…将来が期待される高校3年生ランナー

 豊橋南高校3年生の川島実桜さん。

 身長154センチと小柄ですが、トップ選手が集う陸上日本選手権にも高校生ながら出場した、将来が期待されるランナーです。

豊橋南高校の監督:
「持久力があって、それにスピードが付いてきて、全国で戦えるようになったと思います」

川島さん:
「(800mは)人それぞれに戦略とかがあるので、それでレース展開が変わっていくのが面白い」


 2019年、2年生で出場したインターハイの800メートルでは、6位に入賞。

 そして3年生となり、全国制覇を目標に厳しい練習に励んできました。しかし、コロナによってインターハイは中止に…。

川島さん:
「今まで頑張ってきたのは何だろうって。どうやって陸上と向き合ったらいいんだろうって思ったけど、いつまでも立ち止まっていちゃいけないなって思って」

 自粛期間中は、自宅や近所の公園で体を動かしました。

■「練習できる環境、当たり前じゃない」…大会惨敗も感謝の気持ち

 3年生は部活を引退する中、川島選手が練習を続けてきた理由は、インターハイの代わりとして2020年10月に開催された全国高校陸上選手権への挑戦のためです。川島選手の目指したレースは…。

川島さん:
「前の選手について行って、最後の200メートルから100メートルで前に出るレースが得意かなと」

 高校生活最後の舞台となった大会の予選で川島選手は、残り200メートルから仕掛けて勝利し、無難に予選を通過。

 得意と話していた、最後の100~200メートルから前に出るレース展開となりました。

 迎えた決勝は、高校生活最後の試合。

 しかし、思うようなレース展開とはならず、最後にはもう力は残っていませんでした。結果は2分10秒21の4位。高校最後の試合は、ほろ苦いものとなりました。

川島さん:
「スタートから集団が固まっていて、ポジションを取るのに焦って…。2周目のバックストレートで前に出たんですけど。優勝を目指してやってきたので、すごく悔しいです」

 全国大会の数日後、グラウンドには、まだ引退をせず部活に参加する川島選手がいました。“もっと強くなりたい”。大学でも陸上を続ける覚悟の表れです。

川島さん:
「コロナになって、練習が出来る環境が当たり前じゃないって感じることができたので、周りの人とか環境に感謝しながら、これからも頑張って行きたいと思います」