今、大手レコード会社に頼らず、YouTubeやSNSなどで曲を発表しブレイクするアーティストが増えています。

 名古屋からも話題のグループ「名古屋ギター女子部」が登場しました。ソロで活動していた東海地方出身の5人の女子が、グループを結成し、10月にメジャーデビューしました。

 5人が奏でるハーモニー、その透き通るような歌声に注目が集まっています。

■部活のノリでスタートしその後メジャーデビュー…それぞれがシンガーソングライターの5人で結成

 アコースティックギターと透き通るような歌声。歌うのはおなじみのJ-POP。彼女たちは名古屋ギター女子部です。

 ギター4人と、キーボード1人、愛知や岐阜出身の20代の5人組です。それぞれソロのシンガーソングライターとして活動していましたが、3年前にグループを結成。10月にメジャーデビューしました。

 5人は名古屋のライブハウスで出会い、意気投合。

 自主製作のCDを1000枚手売りするなど、下積みを重ねました。

■家で作り、家から世界へ…きっかけはYouTube 再生回数は1500万回超に

 名古屋ギター女子部の部長、こんどうゆみかさん。シンガーソングライターに憧れて、12歳からギターを始め、自宅のベッドの上でプロデビューを目指して練習していました。

こんどうさん:
「歌とかギターはそれぞれの自宅で録ってます。誰か人に頼むと、時間もすごくかかるので」


 DTM=デスクトップミュージック。メンバーが自宅で演奏した音をパソコン上でミックスし、スタジオを使わず家で音楽を作る方法で、プロのミュージシャンもこのスタイルを始めています。

こんどうさん:
「これがそのままYouTubeに。完成形を全部、自分たちで作っているので」


 ギター女子部の、ブレイクのきっかけはYouTubeでした。

 おなじみのJ-POPを、ギターとキーボードだけでアレンジ。自分たちのギターの練習にもなり、グループの認知も広がる。そんな気持ちで、週1回ペースで配信。

 この2年でチャンネル登録数は13万人、再生回数は1500万回を超え、国内だけでなく海外でも人気になりました。

■背景に合わせて如何に5人を美しく並べるか…こだわりの「自作MV」は地元のお気に入りの場所で撮る

 今や、国内屈指の音楽系YouTuberの「名古屋ギター女子部」が、特にこだわっているのが自作のミュージックビデオです。

 立ち位置やカメラアングルなど、できることは、全てメンバーで。

 ギター4本、鍵盤1台という珍しい編成のバンド。背景に合わせて、どう5人を横一列に並べるかなど、最もきれいな画角にいつも頭を悩ませているといいます。

 これまでに作ったミュージックビデオは80本。ロケ地は東海地方の名所や、メンバーのお気に入りの場所ばかり。人がいない時間を狙って、撮影は早朝4時から5時ということも…。

 真冬にミニスカートで歌ったり、草原で虫に襲われたり…。自分たちらしい姿に、こだわりました。

■地元のデパートも注目…ファッションフロアに写真パネル設置

 とにかく名古屋が好き。そんな彼女たちに、地元の「名古屋三越栄店」からオファーがありました。ファッションフロアに並んだのは、名古屋ギター女子部のパネル。

名古屋三越栄店の担当者:
「地元の素敵な背景をバックに撮影されていたので、この人たちと是非とお声がけさせていただきました」

 その名も「名古屋ギター女子部 POP UP SHOP」。会場では、メンバーオススメのコーディネートをディスプレイ。メッセージもたくさん集まりました。

こんどうさん:
「三越さんっていう名古屋の象徴的な場所に、私たちが関われるというのは、自信がつきましたね」


■名古屋の路上から始まった物語…女子5人の化学反応はこれからも続く

 この日は、久しぶりに人前でのライブ。メジャーデビューのアルバム曲をお披露目です。およそ30分のライブ、最後に歌ったのは名古屋ギター女子部のオリジナルソング、「ストリート・ストーリー」。

こんどうさん:
「過ぎ去ってしまう人もいれば、こうして立ち止まって聞いてくれる人たちもいて…。路上ライブをしていた時のことを書いた曲を、歌います」


 路上から始まった、自分たちの物語を歌にしました。

女性ファン:
「声が透き通っていて、好きです。癒し」

男性ファン:
「声が澄んでいるので、すごく心に刺さるような感じ」

こんどうさん:
「シンガーソングライター5人が集まっているので、個性が強いものができるので、化学反応が起こるのが面白いなと思っています」

 ギターに夢と希望をのせて…。名古屋の景観をバックに、5人の名古屋女子が今日も歌を届けます。