バレンタインの催事で「売上日本一」を誇るイベント、ジェイアール名古屋タカシマヤの「アムール・デュ・ショコラ」が、1月15日から始まりました。

 毎年多くの人が訪れるイベントのためコロナ禍の中での開催となる今年は、様々な感染対策をとってのスタートとなりました。

■感染対策で入場制限…午前の入場はネットで事前予約、午後は入場券を店内で発券

 名古屋の冬の風物詩の一つ、日本一のチョコレートの祭典「アムール・デュ・ショコラ」。今年も出店数は全150ブランド、昨年と変わらない約2500種類という品揃えで始まりました。

 開催初日の午前10時。去年と比べると随分と人が少ない印象です。例年、期間中に100万人以上が訪れる人気イベントのため、コロナ禍の今年は混雑を避けるため入場制限を行うこととなりました。

 午前の入場はインターネットで事前に日時指定入場券の予約が必要。午後は、店内の発券機で当日入場券を発券します。

 また、毎年行列ができる「オードリー」と「パティシエ エス コヤマ」では、独自に店舗専用の入場券(ネット事前予約制)を用意しました。人の密集を避けながら、買物を楽しめるよう工夫をしています。

 さらにこれまで整理券配布による販売だった人気ブランドの一部の商品は、行列ができないよう、オンラインで事前に購入する形に変更。指定された期間内に受け取れるため、並ばず買うことができます。

 会場に行かずに購入したい人に向けては、オンライン販売も強化。前回の約4倍となる200種類以上の商品が、オンラインで購入できます。

ジェイアール名古屋タカシマヤの広報:
「1年かけて、どのような形で(開催)するのが最適なのか、準備してまいりました」


 来店が難しい客にどのように販売するのか、どのようにしたら待たせず案内ができるのか。様々な方面から検討、協議を重ね初日を迎えました。

■東海地方の素材をセンス良く…「パティシエ エス コヤマ」は愛知県産のバラの風味を楽しむチョコ

 日本を代表するパティシエ、小山進さんのブランド「パティシエ エス コヤマ」。数多くの国際大会で受賞歴があります。

 今年の新作チョコレートは、「HAPPY ROSE~ショコラータ博士と幸せのボンボンショコラ~」(1728円)です。絵本も製作している小山シェフ。パッケージにはその主人公が描かれています。また、ストーリーに登場する“バラの模様のチョコ”も再現し、絵本の世界感も演出しました。

 名古屋への出品に際して、あるこだわりが…。

パティシエの小山進さん:
「東海地方の素材をセンス良く使いました」


 厳選した数種類のカカオを使ったチョコレートに合わせるのは、愛知県産のバラ。その個性を生かすため赤紫蘇、あんず、バナナ、青りんごの4つのフレーバーと合わせました。

 味の変化を楽しめるように2層構造になっています。1層目は、ペルー産とインド産のブレンドカカオのチョコレートに、バラの風味を付けた生クリームを加えたものを。

 2層目には、あんずや青りんごなど、それぞれの素材を混ぜ合わせたチョコレート。バナナはジュレにして、アクセントにゆずを重ねます。

 また「蒸し焼きショコラ ほうじ茶」(2970円)は、三重県「川原製茶」のほうじ茶を使ったスフレショコラです。

 濃厚な甘さに、ほうじ茶の香ばしさをプラスした大人の味です。

■実家は30年続く養蜂場…「ル フルーヴ」は上質なはちみつと自家製キャラメルのショコラ

 初登場のブランド「ル フルーヴ」。パティシエの上垣河大さんは、25歳の若さで開業。2020年に国際大会で金賞を受賞した新進気鋭のパティシエです。

パティシエの上垣河大さん:
「自家農園で養蜂をやっていまして、そのはちみつを使用したショコラを作っています」

 実家は30年以上続く養蜂場。その採れたてのはちみつを使います。今回、販売するのは「はちみつガナッシュ6」(2592円)。上質なはちみつに、フランボワーズやパッションフルーツ、アーモンド、キャラメルなどを合わせた6種類です。

 この中でもイベントのためにこだわって作ったのが、「はちみつキャラメル」チョコレート。

 山の花のはちみつを使った自家製キャラメルを加えることで、甘さとほろ苦さが同時に感じられるようにしました。はちみつの味を知り尽くしているからこそできる一粒です。

■前回売上げ2位と4位のライバルがコラボ…「クラブハリエ×メゾンカカオ」のハートブラウニー

 最後は、2013年から7年連続売上げナンバーワンを記録するなど、毎年人気の「クラブハリエ」です。今回販売するチョコレートは…。

パティシエの山本隆夫さん:
「そこのチョコを使ってみたら、どうお互いが変わるのかなって、やってみようよって話になったんです」


 今回クラブハリエは、神奈川県鎌倉市の生チョコレート専門店「メゾンカカオ」とコラボして作りました。2020年の「アムール・デュ・ショコラ」で売上げ4位の常連です。ライバル同士が手を組みました。

 山本さんは「互いのブランドの完成した最高のチョコレート同士が合わさるとどう変わるのか、話が盛り上がった」とタッグが実現した経緯を話します。

 約1年の開発期間を経て、2店が作り上げたのが、「MAISON CACAO×CLUBHARIEハートブラウニー」(2420円)です。

 上部にはメゾンカカオが得意とする生チョコが。ブラウニーにもチョコレートが入っていて、2つのブランドの魅力が1つに詰まった自信作です。

 オンラインで「家チョコ」も楽しめる今年の「アムール・デュ・ショコラ」(2月14日まで)。今年はどのチョコレートにするか、楽しみも膨らみます。