新型コロナウイルスに感染し死亡した岐阜県各務原市の男性が、自宅で容体が急変し、心肺停止の状態になったものの搬送先が見つからず、病院に搬送されるまでに3時間かかっていたことが分かりました。

 男性に何があったのでしょうか。

 男性は19日夜に陽性と判明。岐阜県内で翌日から入院ができるように調整が始まり、受け入れ先も決まっていたといいます。

 しかし、ここから事態が悪化しました。20日午前4時28分、男性の容体が急変。救急隊が到着しましたが、すぐには搬送されませんでした。

 午前6時38分、自宅で心肺停止。午前7時1分、ようやく受け入れ先に決まった岐阜大学病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。

 救急隊到着から病院搬送まで空白の3時間、実はこの時、受け入れ先の病院を探し直していました。

 しかし、元々は決まっていた受け入れる病院。なぜこうなったかについては、2つの理由が挙げられます。

 1つ目は、容体の急変が早朝で、元々決まっていた受け入れ先病院の体制が整っていなかったこと。もう1つが、コロナ患者の受け入れができる別の病院を探したものの、病床の逼迫で見つかるまでに時間がかかったことです。

 コロナ患者を受け入れる病床がどれだけ使われているかを示す「病床使用率」は、岐阜県内の20日時点で64.6%と高い水準。さらに、各務原市を含む岐阜圏域の病床に限ると81%と、さらに高かったことがわかっています。

 コロナ病床のひっ迫が招いた不幸でした。