新型コロナウイルスに感染し、無症状のため自宅で療養していた名古屋市内の高齢者が死亡していたことがわかりました。

 愛知県で初めて確認された、自宅療養中の新型コロナ感染者の死亡。自宅で亡くなったのは名古屋市の60歳以上の高齢者で、性別や基礎疾患の有無などは公表されていません。

 亡くなる4~5日前に感染が確認されたものの、無症状だったため「即座の入院の必要はない」として自宅療養することになりました。

 この高齢者の方への対応として、市の保健所から毎日電話での健康観察が行われていましたが、「元気だった」ということで、そのまま自宅での療養を続けていました。

 しかし、毎日出入りしていた業者が家を訪ねた際、死亡しているのが見つかりました。保健所の担当者は、亡くなる前日まで「元気だった」と話していることから、容態が急変したとみられています。

 名古屋市の陽性患者では、24日現在、自宅療養者が1038人。病院に入院しているのが重症、中等症、軽症・無症状の人を合わせて273人で、この入院者の数が今、問題になっています。

 273人のうち約50人が市外の病院に入院しています。25日時点で名古屋市が用意している病床数は、高齢者が亡くなった時より少し増えて226床になりましたが、それでもほぼ満床になっています。

 名古屋市は愛知県と調整し、市外の病院も含めて入院先を探していますが、ひっ迫した状態で優先順位の低い人は入院することができない状態です。

 名古屋市は亡くなった高齢者は優先順位が低く、自宅療養は「判断として間違っていなかった」「打つ手はなかった」と話していて、「解決策としては、病床を確保するしかない」としています。