愛知県名古屋市に、最高速度200キロの剛速球マシンがあるバッティングセンターがあります。日本のプロ野球の投手の史上最速が160キロ台の中、200キロのボールは果たしてバットに当たるのか、前人未踏の球速にチャレンジです。

■「速いなんてもんじゃない」…野球実況歴20年のアナウンサー最高速度200キロに挑戦

 名古屋市瑞穂区にある「あらたまバッティングセンター」。ここに、剛速球バッティングマシンはあります。

 その最高速度は200キロ。日本プロ野球の史上最速は2016年、大谷翔平選手が出した165キロ。これをさらに35キロも上回ります。

 まず挑戦するのは、野球中継の実況歴20年の東海テレビの加藤アナウンサー。人類で誰も投げたことのないボールに、少年野球しかやったことのない男が挑みます。

加藤アナ:
「初球、おー!速いなんてもんじゃない!速すぎる!」

 あまりの速さに手が出ず、腰が引けてしまいました。カメラで追うのもやっと。ボールが放たれてからホームベースに届くまでの時間はわずか0.3秒。その後も挑戦しますが、完全に振り遅れ…。

 そして7球目…。凡打ですが前に飛びました。結局辛うじてバットに当てたのは18球中3球でした…。

■元高校球児「こんな速い球見たことない」…前人未到の剛速球を打ち返せるか

 果たして、綺麗に打ち返すことができる人はいるのでしょうか?

大学生(21):
「高校時代野球やってたので、打てるかと。我ら高校球児、なめてもらっちゃ困りますね」

 自信満々の元高校球児が挑戦です。

 この大学生、初球は空振りしましたが、2球目からバットに当て、その後はヒット性のいい当たりやライト方向への長打の当たりも。200キロを捉えていました。

大学生:
「こんな速い球見たことなかったです。めちゃくちゃ速かったですね」

■バッティングセンターの窮地救う…200キロの剛速球で客足が凄い速度でV字回復

 元高校球児でも当てるのがやっとの剛速球。このマシン導入のきっかけを聞くと…。

安藤さん:
「名古屋で200キロは初めてなので、やってみようかなと」

 あらたまバッティングセンターは1966年に創業。2代目の安藤幹信さん(55)は22年前、父親の跡を継ぎましたが、当時から進化のないマシンに客足は次第に遠退き…。その窮地を救ったのがこの200キロのマシンでした。

安藤さん:
「ずっと思っていたのは、コントロールがよくて、スピードも遅いのから早いのからできるようなマシンがあったらいいなと」

 球速に加えコントロールが安定したマシンは珍しく、全国のメーカーを探し求め、5年前に福岡で見つけました。価格は約1000万円でした。

 導入後、200キロのマシンがSNSで話題になり、客足はV字回復。

 剛速球マシンは現在、全国に50台ほどあり、その元祖は名古屋。中日ドラゴンズの田島慎二投手はもここで練習していたそうです。

安藤さん:
「地元からイチロー選手も出ましたので、そういう世界で通用するバッターが出てきてくれたら嬉しいですね」


 あらたまバッティングセンターの最高速度200キロが体験できる「200キロチャレンジデー」は、第2木曜と第4月曜の月2回開催しています。