ほうきにまたがって飛んでみたり、はち巻姿で猛スピードで走ったりと、楽しい気分にさせてくれる写真。写っているのは写真家ご本人、西本喜美子さん。なんと92歳です。喜美子さんに作品作りの秘訣を聞くと、年齢を重ねても楽しく過ごすヒントが見えてきました。

 写っているのは撮影したご本人。熊本市の西本喜美子さん、92歳です。

西本さん:
「お友達に誘われて(写真教室に)入ったんですけど、自分の好きに撮っていいから楽しいです。写真のシャッター音とか、何か面白いものがあれば撮りたい気持ちが湧いてくるんです」

 写真を始めたのは72歳の時。撮影もパソコンを使った画像の加工も、全て自分でやっています。

 重ねる年齢を自虐とユーモアを交えて映し出した写真は、インスタグラムにアップするとたちまち人気に。今では23万4000人が写真を楽しみにしています。

 ご本人の解説付きで、選りすぐりの作品を紹介します。まずは…。

西本さん:
「これはですね、物干しに主人のジャンパーが干してあったから、『これに入ってみようかな~』と思って入ってみたんです。なんか面白いものがあれば撮りたいなという気持ちが湧いてくるんですよね。その場その場で考えるんです」


 また別の写真は…。

西本さん:
「ちょうどゴミ出しの日だったんです。『ゴミを捨てに行く前に自分で入って捨てられてみようかな?』と思って。自分とバックの距離を考えて、カメラまで行ったり来たり、大変でした」

 作品作りで心がけるのは、とにかく面白い事を探し、誰かに喜んでもらおうという気持ちを持つこと。毎日を楽しくするコツでもあるそうです。

西本さん:
「毎日写真を撮ったりして、楽しい思いをしている。寝たきりになっても、たぶん天井だけでも撮っているでしょうね。いろんなものを探して撮っていますね」


 西本さんの写真は、愛知県美術館で3月7日まで開かれている写真教室の生徒らの写真展で、4枚展示されています。