4月から義務化される、値札やチラシなどでの商品の「総額表示」では、本体価格が500円の商品の場合、「500円+税」「500円(税抜き)」という表現は4月からNGとなり、「550円」「550円(税込み)」「550円(うち税50円)」などという表現になります。

 この総額表示の義務化で、ユニクロでは3月12日から消費税抜きの本体価格をそのまま「税込み価格」にして販売しています。

 例えば、これまでは「1990円+消費税」としていたものを税込みで1990円とし、全商品が実質約9%値下げに。

 さらにNTTドコモは、新プラン「アハモ」の月額料金を280円値下げし、税込み2970円に。その前は「2980円+税」で3278円だったため、3000円を切る税込み価格にすることで割安感を感じさせる戦略とみられます。

 外食チェーンのリンガーハットでは、1か月前倒しして3月1日から価格表示を変更していますが、価格自体の見直しも行いました。「長崎ちゃんぽん」は税込み649円から650円に値上げした一方、長崎皿うどんは税込み682円から680円に値下げ。

 目的は1円単位の端数をなくすことで、おつりとして渡す硬貨を減らすことができ、コロナ禍で接触機会を減らすことに繋がるとしています。

 総額表示の義務化で影響を受けるとされているのが「本」です。店先に並ぶ期間が食品などに比べ圧倒的に長いため、税率が変わる可能性を見越してほとんどが「本体価格+税」という形で表記されています。

 刷り直しで出版社などが大きな負担を負う可能性があり、経費面の問題から絶版になってしまう本が多発してしまう恐れもあります。