名古屋で中学1年の女子生徒が自殺した問題で、女子生徒はLINEで嫌がらせを受けたことを担任に相談していましたが、それ以外にも勉強など複数の悩みを学校に相談していたことが新たにわかりました。

 女子生徒の両親が取材に応じ、悲痛な思いを語りました。

女子生徒の母親:
「娘の気持ちに気付けなかった自分にすごく反省して、本当に後悔しています」

 悲痛な思いを語るのは、名古屋市立中学1年の女子生徒(13)の両親。

 女子生徒は3月9日、中学校を早退した後、自宅で自ら命を絶ちました。

母親:
「体が全く動かなかったので、すぐに携帯から119番。家に着いた時から心臓マッサージが始まっていたので、覚悟はしていたんですけど…。そこまで苦しんでいるのに気付けなくて」


 去年11月、生徒2人からLINEのグループで嫌がらせを受けたことを、担任に相談していた女子生徒。

 その後、担任は三者面談などで生徒2人の名前を聞き出そうとしましたが、女子生徒は「どうしても言いたくない」と話し、名前を伝えませんでした。

 しかし今年1月に入り、担任が改めて確認した際、女子生徒は名前を伝えたといいますが…。

<女子生徒>
「(生徒2人に)直接の指導はしないでほしい」

 生徒2人からの仕返しを恐れたことから、学校は直接の指導をしませんでした。

 16日夜、中学校では保護者会が開かれ、こうした経緯が説明されましたが、参加した保護者は…。

保護者:
「名指しをされた(生徒)2人の保護者に対して、亡くなられてから話をしているらしいんですね」

別の保護者:
「生徒の意向を受け取って、こういう形になったというのは、納得いかないですね」


 保護者会後に会見した学校側は…。

校長:
「問題がなかったとは考えておりませんが、女子生徒と保護者との信頼関係がありますので、『踏み込んで指導してほしくない』と言われた際には、それを進めることは難しい」


 一方この会見では、「LINEでの嫌がらせ」について、新たな経緯が明らかになりました。

校長:
「相談は11月末にありましたけれども、その後(嫌がらせが)続いているという話はありませんでした」

 学校側は、女子生徒が訴えた「LINEでの嫌がらせ」は1度だけで、それ以降は続いていなかったと説明。さらに2月頃からは、LINE以外にも勉強など複数の悩みを相談していたと説明しました。

 しかし、女子生徒の母親は…。

母親:
「(LINEグループは)とにかく大人数です。その中で娘のことを言われちゃったので、要はみんなに広まる。人数が多ければ多いほど、拡散するのも早いじゃないですか。(娘が)『廊下に出るのが怖い。誰が自分のことを悪く思っているのか分からないから怖い』と」


 母親はLINEでの嫌がらせがきっかけで、娘が「学校に行くことを怖がるようになった」と訴えます。

 市の教育委員会は、生徒にアンケート用紙を配布。女子生徒へのいじめ行為があったかどうか調査を進めていますが、1人の少女の命が失われたという重い結果は変わりません。

母親:
「娘が『仕返しされるのが怖い』と言っても、もっと対処してもらうように、自分から(学校に)言えばよかったなって。とにかく謝りたい、謝りたい…」