2020年は新型コロナウイルスの影響で“おうちご飯”が多くなったこともあり「冷凍食品」の需要が大きく伸びました。そこで、冷凍食品ジャーナリストに、多くの商品の中から「今、押さえておきたい冷凍食品」を聞きました。

 店の味さながらの、おつまみやラーメンに、ミシュラン3つ星レストランのシェフが手掛けた幻のローストビーフなど、冷凍食品とは思えない本格的な味が数多くありました。

■冷凍食品100周年だった2020年…コロナ禍で需要は業務用↓家庭用↑

 便利で主婦の味方の冷凍食品は、2020年に大きな節目を迎えていました。

冷凍食品ジャーナリストの山本純子さん:
「昨年は、日本での冷凍食品100周年の年だったんです。業務用は非常に落ち込みましたが、家庭で需要が伸びた年でした」

 国内の冷凍食品は誕生から100年。コロナ禍で業務用は打撃を受けたものの、家庭用は頼りになる食品として、その需要を大きく伸ばしました。

■炭火で焼いた香り高い本格的な味…冷凍食品で食べる「焼き鳥炭火焼」

 冷凍食品に関するあらゆる情報を発信するサイト「冷凍食品エフエフプレス」代表の冷凍食品ジャーナリストの山本純子さん。この道40年の冷凍食品のプロに、絶対に食べてほしいおすすめの逸品5つを聞きました。

 1つ目は「セブンプレミアム 焼鳥炭火焼」(235円)です。その名の通り、やや大振りにカットした鶏モモ肉を炭火で焼きました。そこに甘辛いタレが絶妙に絡みます。

女性:
「これめっちゃおいしい」

別の女性:
「めちゃめちゃ食べます。これいつも食べてゲームして、お酒飲んで」 

山本さん:
「炭火焼風というのはよくありますけど、風ではなくて本当に炭火で仕上げて、とても良い香り」

 ポイントは本当に炭で焼いていること。それだけに香ばしさが際立ちます。蓋を剥がしてそのまま食べられるので皿に移す手間もなく便利。値段の手軽さもあり、ちょっと一杯に最適です。

■リピーター続出の「あさりごはん」…社内アンケートで「自慢したい自社商品」NO1に選出

 2つ目は、テーブルマークの「あさりごはん」(321円)です。ご飯系の冷凍食品というとチャーハンや焼きおにぎりが定番ですが、これは和風のご飯でリピーターがつく隠れたヒット商品です。

女性:
「ご飯物の冷凍食品って、ビビンバとか味濃い系が多い」


 販売するのは惣菜やうどんなど、冷凍食品を多数出している「テーブルマーク」。「あさりごはん」は、社内アンケートで、「自社商品でもっと知ってもらいたい商品」の1位になりました。

山本さん:
「最初は春限定発売にしたんですけど、人気がどんどん高まってきて、1年間販売する商品に切り替わった」


 メーカー社員も自信をもって押す逸品です。
 
■麺もスープもチャーシューもひと塊で冷凍…鍋にポンと入れるだけ「お水がいらないラーメン」

 そして3つ目は、鍋とコンロさえあれば、家庭で本格的な専門店の味が楽しめる、キンレイの「お水がいらないラーメンシリーズ」です。その中でも山本さんのおすすめは、神奈川県発祥のご当地ラーメン「お水がいらない 横浜家系ラーメン」(330円)です。

 ラーメンデータバンクの監修で、街の横浜家系ラーメンの味と特徴を忠実に再現しています。鶏油をきかせた濃厚な豚骨醤油味のスープに、もちもちの中太麺がよく絡みます。

 作り方は簡単。ラーメンの上に、チャーシュー、ほうれん草、焼きのりを乗せたひと塊の状態で冷凍されているので、鍋にポンと入れて、7~8分温めるだけ。手軽に、店さながらの本格的な味を楽しめます。

女性:
「鍋に入れて温めるだけだったらいいですね。具材もいろいろ入っているしね」

別の女性:
「楽で早く出来て、すぐ食べられるのは結構重要」

■野菜不足と思った時に頼りになる一品…体調に合わせレシピが選べる自分だけのスープ

 4つ目は、グリーンスプーンの「パーソナルスープ」。2020年秋に発売されたばかりの、ネットでお取り寄せできる冷凍のスープシリーズです。

 「温野菜たっぷりのビスクポタージュ」(990円※送料別)など、体に必要な栄養素を含んだ食材を瞬間冷凍して配送されます。

 “パーソナル”と付くだけに、無料診断で自分の体調に合わせ、管理栄養士が監修した全15種類のレシピから選択できるのが最大の特徴。自分の身体に不足しがちな栄養を補えると話題です。

山本さん:
「野菜不足かなと思った時に、これを取ればっていう。それが冷凍庫に何品か置いてあるという安心感がある」

 好みで水や豆乳などを加え、レンジで解凍。スープではあるものの約300グラムあるので、パンやご飯と一緒に食べれば立派な一食になります。

■1万円超の冷凍「ローストビーフ」まで登場…三ツ星レストランのシェフが手掛けたプレミアムな味

 ラスト5つ目もネットでお取り寄せできる、ブレジュの「奥出雲和牛のプレミアムローストビーフ モモ」(約300グラム 1万800円・送料別)。冷凍食品も進化、超希少な和牛のローストビーフまで登場しました。

山本さん:
「奥出雲和牛という、月間40頭位しか屠畜しない、プレミアムビーフを使っている」


 パリの三ツ星レストランで腕を振るったシェフが手掛けたローストビーフで、その希少性から“幻の黒毛和牛”とも呼ばれる、島根のブランド牛で作りました。低温でじっくりローストすることで、しっとりと柔らかな味わいです。

 誕生から100年の日本の冷凍食品。想像以上のバリエーションとクオリティです。山本さんは、「少子高齢化を背景に、家庭の食卓がますます冷凍食品を求める時代がくる」と予測しています。