雑貨やキッチングッズ、アクセサリーなど、1つ300円で便利なグッズが買える「3COINS」は、多くの女性から人気です。

　理由は、その実用性や価格だけでなく、おしゃれなデザイン。バリエーション豊富な商品には、価格以上の付加価値がありました。

■売り切れ続出の商品も…300円で手に入るおしゃれで便利な雑貨

　全国に200店舗以上を展開する「3COINS」。最大の魅力は、バッグからキッチン用品、アクセサリーなど、実用的でありながらおしゃれな雑貨が300円で手に入ることです。

女性客:
「このマスクも、マスク入れるケースも3COINS。洗顔のタオルとかも全部ここでそろえています」

別の女性客:
「100円ショップよりいいものがある気がして、おしゃれな感じもする」

　例えば「温野菜メーカー」（300円税別）は、水を使わずに温野菜が作れるキッチングッズです。

　底に穴の開いた中子が付く二重構造になっていて、中子にカットした野菜を入れて容器に。レンジでチンするだけで、誰でも簡単に蒸し野菜ができると大人気です。

「オーロラグラス」（300円税別）は、光の当たり具合で色が変わります。写真映えすることからSNSで話題となり、一時期は売り切れでした。

■行くたび新しい商品と出会える店…月に7～800種類の新商品を投入

　実用性とデザイン性を兼ね備えた商品の価格を、なぜ300円にしたのでしょうか。

3COINSの担当者:
「3つ買っても1000円でおつりが来るという考えもあり、300円に設定しました」

　3COINSは、ファッションブランド「パル」のグループ会社が運営。100円ショップと差別化を図るため、実用性だけでなく、ファッション性も重視しています。価格は手頃な300円にしました。そして…。

同・担当:
「流行に敏感であることと、流行に合わせて商品を入れかえています」

　新商品は月に約700～800種類投入しているため、客は行く度に新しい商品と出会うことができます。

　店舗の正面の棚に並ぶ商品は、わずか数週間に3回も入れ替わっていました。新商品の「クリアボトル」と「ドリンクBAG」。ドリンクボトルとそれを入れるバッグです。

　流行はもちろん、組み合わせも意識してデザインされています。

■500円以上の商品も人気…コロナ禍によりスマホ関連商品がヒット

　流行を先読みし、次々と投入される商品ですが、全て300円ではありません。500円以上の商品も充実しています。

「温湿計付き掛け時計」（500円税別）は、見た目もおしゃれの納得のワンコイン。「ワイヤレス ステレオイヤホン」（1500円税別）は、ワイヤレスをこの価格で実現したことで大ヒット。去年の発売から完売が続き、今でも売れ続けています。

　また、コロナ禍でヒットしているのが、スマホ関連の商品です。特に人気なのが、デスクなどにクリップで簡単に固定できる「スマホクリップ式ホルダー」（300円税別）です。

　リモートワークや料理レシピの閲覧など、おうち時間に最適と評判です。また、プロ顔負けの「照明付きスマホクリップ式ホルダー」（1000円税別）も登場しました。

　マスク関連の商品では、ティッシュのように不織布のマスクを収納しておく、「マスクボックス」（300円税別）や持ち運ぶ時に便利な「マスクケース」（300円税別）が売れています。

　マスクケースは、蓋の裏にシール式の鏡が取り付けられるなど、細かい配慮も女性から支持される理由の1つです。

■マニアックな商品もニーズを捉えてヒット…スタッフが得意分野に特化して開発

　使い勝手もよく、女性心をくすぐる商品の数々。そのほとんどが、オリジナルで開発されたものです。

　3COINSでは、アクセサリー、化粧品、家具などそれぞれの部門に専門の商品開発者を配置。各自が客のニーズと流行を読みながら、商品を開発しています。

　例えば、うちわを持ち運ぶ際に入れる「うちわカバー」。マニアックな商品に見えますが、アイドルのコンサートに行くファンの間で大ヒットしました。

　マニアの趣味に詳しいスタッフが開発。得意分野に特化した担当者が開発することで、思わぬヒットが生まれています。

■商品の魅力をインスタで発信…「スタッフインフルエンサー」制度で販売販促

　さらに3COINSには、『スタッフインフルエンサー制度』というものがあります。現在、全国で約45人のスタッフインフルエンサーが活動しています。

　愛知県の店舗のスタッフインフルエンサーの大城さんは、店頭で接客をする傍ら、仕事終わりにインスタグラムに自分が気に入った商品をアップ。インフルエンサーとして、自社商品の魅力を発信し、販売促進につなげています。

　この日は、大城さんは「油はねを防止するキッチングッズ」の撮影をしていました。何気なく撮っているようですが…。

大城さん:
「商品に対してカメラを平行になるように…。しっかり伝わりやすい角度だと思って撮っています」

　商品の魅力がしっかり伝わるように、正面から撮影しています。また、キッチングッズを撮影する際、さりげなく手を入れています。こうすることで、雰囲気やサイズ感が伝わるといいます。

大城さん:
「自分が投稿した商品を探して、お買い物に来てくれるのが見てくれているんだと思うとうれしい」

　この取り組みはスタッフのモチベーションアップにも繋がっています。

　各ジャンルに特化した専門の開発者に、自社スタッフのインフルエンサーなど。3COINSは、300円という商品に様々な工夫で付加価値をつけています。

　3COINSの担当者は、「今は女性客が多いが、今後は性別問わず幅広い年齢層に来店してもらえるような商品を企画したい」と話しています。