東海地方には4月3日に、東京オリンピックの「聖火」がやってきます。ところが、沿道の応援自粛など、問題が続々浮かび上がってきています。

 昭和39年10月、岐阜市内を走り抜けた聖火。

 あれから57年、3月25日に福島県をスタートした聖火がいよいよ4月3日に到着します。

 岐阜県のスタートの地は中津川市の観光地「馬籠宿」。しかし、住民たちからは聖火の到着を心待ちにする一方、その観覧ルールを巡り困惑の声が広がっています。

住民:
「あまり盛り上がってないような気がしますけども」

別の住民:
「家の前で見られれば一番いいんですけどね」


 先週、中津川警察署が馬籠宿周辺の住宅や店舗を回り配布したチラシ。

<チラシの内容>
「危険防止のため、2階以上からの観覧はお控えください」


 警察は住民に対し、転落防止やコースへの落下物を防ぐため、自宅を含む建物の2階以上からの観覧を控えるよう要請したといいます。

 さらに、中津川市はコースの道幅が狭いことから、密を防止する観点で指定エリア以外での観覧を禁止していて、住民には自宅の前に出て見ることを控え、窓を閉めて室内から観覧するように呼びかけているのです。

「白木屋」の鈴木さん:
「ここから聖火を持って坂を上がっていく。2階から(観覧)はダメということで、なんでだろうなと、分からんですね」

 馬籠宿の入口にある老舗旅館「白木屋」のオーナー、鈴木さん。新型コロナの影響で、去年の11月を最後に宿泊予約はゼロに…。

 聖火リレーの当日、その様子を特等席で見ることができる2階の部屋の予約を期待していましたが、今回の観覧ルールを知り、受付を取りやめたといいます。

「白木屋」の鈴木さん:
「(Q.このルールはやりすぎだと思う?)しますけど、まあどうでしょうかね…。本音を言うと、お客さんを入れてここから見てもらうと一番いいなと思うんですけど、行政の決めたことだし中止になるよりはいいかな」


 さらに…。

「白木屋」の鈴木さん:
「本来なら、ここも営業中で(窓を)開けて五平餅を売りながら応援できる。今回は閉めて中で応援してくださいということで、残念ですね」


 窓を開けることは禁止、また沿道に人も集まらないことから、レースに合わせて予定していた名物の五平餅の販売も断念しました。


「白木屋」の鈴木さん:
「普通なら聖火リレーが走るんですから、それも目の前を走るんですよ。もっと盛り上がって、成功してほしいと思います。感染防止のために沿道には出ないように。ちょっと寂しいですけど」