新型コロナの影響で外出自粛が続く中、ネット通販で「おうち時間を楽しく過ごせる」アイテムが売れています。クッション型のトランポリンや、たわし素材の耳かき、使うだけで糖質がカットできる調理器具まで、『家の中で楽しめる』アイデアグッズが数多くありました。

■開発のきっかけは“廃棄品での遊び”…コンパクトで音も静かなクッション型トランポリン

 ユニークなアイデアグッズを生み出すのは、名古屋市中村区にある「アメイズプラス」です。13年前から、ヘルスケア商品やキッチン用品などの開発・販売を手掛けています。

 コロナ禍で特にヒットしているのは、家の中で簡単に運動が出来る商品。その1つが、クッション型のトランポリン「シェイプキューブ」(1万8480円 )です。

 2020年に発売されると、すぐに人気商品に。普段はクッションとして使いつつ、エクササイズにも利用できます。

 コンパクトで音も静かなため、マンションなどの集合住宅でも、気をつかわないのも人気の理由です。

 クッションとしてリビングに置けるので、いちいち出し入れする必要もありません。おうち時間にちょっと運動したいというニーズにマッチし、5か月間で予約販売も含め、2万8000個が出ました。

 このクッションとトランポリンを合わせるという発想は、大掃除中に捨てるつもりだったマットレスの上で、遊び半分に跳ねたことが誕生のきっかけだったといいます。

■耳の中を傷つけないよう独自改良…フワフワ気持ちいいタワシ素材の「耳かき」

 続いては、タワシ素材で出来ている「耳かき用たわし」(2035円)です。この少し痛そうな耳かきは、和歌山県のタワシメーカーと共同開発しました。

 耳の中を傷つけないように、タワシを独自に改良。柔らかい素材に変え、「絶妙の使い心地」を目指しました。使ってみても、ソフトタッチでフワフワ気持ちいい感覚で痛いと感じることはありませんでした。

 この耳かきが生まれたきっかけは、もともとスマホのストラップ用に作られた極小のタワシを、こちらも遊び半分で耳に入れてみたところ、意外に気持ちがよく商品化されました。それがまさかの5万個の大ヒットとなりました。

 人気となった理由について担当者は、テレワークでイヤホンを使う機会が増え、耳の中のコリを癒したいというニーズがあったのではないかと話しています。

 しかし、中には開発中止になる商品も…。それがテコの原理で、少ない力で肩などをマッサージできる「パワーグローブ」です。

 握力が弱い女性向けに試作されましたが、「手でやった方が気持ちよい」と販売まで至りませんでした。アイデアは年間1400点にも上りますが、商品化されるのはそのうち70点ほどです。

■ご飯は食べたいけど糖質は減らしたい…開発担当者のダイエット目的で生まれた商品

 2020年に発売され、3万個売れたキッチン用品があります。見た目が丸く、水切りボウルの様な器具を炊飯器の中に入れ、お米を炊きます。炊きあがって蓋を開けると、ボウルには白い水が溜まっていました。

 お米の糖質がカットできる調理器具「トウトール」(2178円)です。炊飯器にいつも通りの分量の米と水を入れた後、さらに水80ミリリットルを追加して、沈めるようにセットします。炊きあがると「トウトール」に白く濁った液体が溜まります。

 炊飯する時、水に米の糖質が流れ出て、釜の中を循環。通常は、炊きあがると糖質は米に戻りますが、トウトールを使うと、くぼみに循環していた糖質が残りその分をカットできます。日本食品分析センターの調査によると、糖質をおよそ15%カットできることが実証されたといいます。

 誕生のきっかけは、担当者自身のダイエット目的だったそうです。

 ユニークなアイデアグッズを販売する会社を覗いてみると、コロナ禍で『家の中で楽しめる』アイデアグッズが数多くありました。