愛知県半田市で行われた聖火リレーを巡って、江戸時代から続く伝統の祭り「ちんとろ祭」で使われる「ちんとろ舟」に乗って通るコースを「男性限定」で予定されていたことが、「オリンピックの精神に反するのではないか」との声があがり、波紋が広がりました。

 その後、女性も乗れるように方針が変更され無事に終わりましたが、実際に乗ったのはどんな人だったのか、またその後は…。調べてみると、意外なことも分かりました。

 実際にちんとろ舟に乗船した女性と女の子。

 乗船したのは、祭の時に舟上で舞を奉納する男の子の母親と妹、それにお囃子を担当する男性の娘と、最初から乗船を予定していた関係者の家族でした。

 それにしても、なぜオリンピックの聖火リレーを男性限定にしようとしたのでしょうか。

半田市スポーツ課の加藤課長:
「『神事』におきましては男性限定だと、乗車に付きましてそういう風に伺っておりましたので、県の実行委員会とも協議をさせて頂きまして、半田市の祭りの特色を是非ということで」


 神事で舟に乗るのは男性に限られるため、それに倣ったと言います。ところが、ちんとろ祭委員会の榊原会長に聞くと意外な答えが…。

榊原会長:
「神事では、ちんとろ舟に女性を乗せることはなかったが、イベントではミス半田など女性を乗せることはあった」

 毎年4月にあるちんとろ祭りでも、「舞を奉納する神事」以外のイベントなどでは女性が乗船することがあったと言います。半田市役所はそれを認識していませんでした。

半田市スポーツ課の加藤課長:
「組織委員会の(森)会長の辞任もありまして、そのタイミングで我々がもう少し配慮するべきであったかなと。どんなことをやるにしても細心の注意をはらって行わないと、取り返しのつかないことになりかねるのかなと感じております」

 ちんとろ祭委員会の榊原会長も「祭りの担い手が年々減っている中、女性の協力が必要」と、今後の祭りに対して前向きです。