新型コロナの変異ウイルスについて21日、愛知県と三重県の知事が気になる発表をしました。新型コロナウイルスの感染者の多くが「変異ウイルス」いう発表です。

 感染者のうち変異ウイルスが占める割合は、愛知では1か月前には13%ほどだったのが、直近の1週間では66%と3分の2が変異ウイルスでした。

 さらに、三重では1か月前は5%、20人に1人の割合しか変異ウイルスが確認されていませんでしたが、直近ではおよそ95%、ほとんどが変異ウイルスでした。

 そして、岐阜も直近でおよそ6割が変異ウイルスと、この1カ月で変異ウイルスが感染者の主流になっています。さらに東海3県の変異ウイルスはほとんどが感染力の強い「イギリス型」。愛知と三重では、ウイルスの解析で判別できたものは「全て」がイギリス型でした。

 感染力の強さと重症化のリスクについて、感染症の専門家、愛知県がんセンター病院の伊東医師に聞きました。

伊東医師:
「イギリス変異株の特徴は従来のウイルスよりも感染力が高く、最大40%程度増加していると言われていますが、あわせて重症化もしやすい。今まで重症化しなかった若年層での重症化も起こっている。大阪だと第4波は、第3波を大きく上回る速度・規模で急拡大しているわけですが、(東海3県でも)関西地域のような感染者の急激な拡大であったり、重症者数の増加であったり、若い世代での重症化が起こってくる、繋がる可能性があるかと思います」

 イギリス型の感染力は最大で1.4倍、そして若い世代でも重症化しやすいという傾向があるということです。

 また、ワクチンがこのイギリス型に効くのかどうかについて伊東医師は「イギリス型にワクチンは有効」とする一方で、「医療従事者でもまだ接種できていない人がいるということで、とてもじゃないけどワクチンではこの第4波は抑え込めず、感染対策で抑え込んでも、その次の第5波が来るかもしれない」といいます。

 伊東医師は「感染しやすい、若い世代も重症化しやすいということをしっかりと認識して、改めて感染対策の徹底をして欲しい」と話しています。