新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、今年も迎えた我慢のゴールデンウィーク。少しでも明るい気持ちになってもらいたいと、打ち上げ場所を明かさない「サプライズ花火」が行われています。

 しかもそれは毎日、全国のどこかで…。その名も花火駅伝です。

 同じ日の同じ時刻に夜空を彩る花火。その花火玉には人々の思いも託されていました。

 コロナ禍の中で迎えたゴールデンウィーク。人が集まらないように場所を非公開にして花火が打ち上げられています。その名も『花火駅伝』。北は北海道から南は沖縄まで、全国のどこかで毎日夜空を明るく照らしています。

 花火業者が協力して実現した花火駅伝。呼びかけたのは愛知県西尾市の花火メーカー「若松屋」の葛西喬介さんです。

葛西さん:
「4月29日から5月5日の7日間、毎日花火で笑顔を繋げていけたらいいなということで『花火駅伝』とさせていただきました」

 人が密になる花火大会は、去年から各地で中止が相次ぎ、その状況はこのゴールデンウィークも変わりありません。

 少しでも世の中を明るくしたい…。そう思うのは花火師だけではありません。花火玉に貼られたのはツイッターのつぶやきです。

<花火玉に貼られたつぶやき>
「来年は全世界の皆が、マスク越しじゃない飾りの無い笑顔で笑い合えますように」
「コロナ禍で出産は1人ですることになるけど、元気でかわいい赤ちゃんが産まれますように」

 ツイッターで寄せられたコロナ禍の中での願いも、一緒に夜空に打ち上げます。

 向かったのは愛知県半田市。

葛西さん:
「花火大会のワンシーンを切り取ったようなものを、10分程度になってしまうんですけどお届けできるので、花火大会感を感じてもらえると嬉しいです」

 どこで打ち上げるかは内緒の花火駅伝。その様子はインターネットでライブ配信されます。

 夜の帳が下りていよいよ打ち上げです。夜空を彩る大輪の花火。同じ時間に、いろんな場所で…。突然の花火に気が付いた人たちが、車を止めて夜空を見上げます。

花火を見た女性:
「とても素敵でした」

花火を見た男性:
「こういうご時世の中でやっていただいてありがたいです」

花火を見た子供:
「めっちゃ楽しかったし、うれしかったし、すごかった」

葛西さん:
「こういった形で皆さんに笑顔を届けられれば、本当に本望だと思います」

 コロナ禍の中のゴールデンウィーク。今夜もどこかで夜空を彩ります。