名古屋市名東区に人気のベーグル店があります。この店を営む女性は、子育て中に趣味で始めたベーグルが通販で人気となり、その後店をオープンさせました。
この女性が作るチョコや明太子など、味も種類も豊富なベーグルは、地元の人たちに愛されています。
■約10種類の焼きたてのベーグルが並ぶ…一児の母が営む『コハルベーグル』

名古屋市名東区にある7年前にオープンした「コハルベーグル」。開店と同時に、たくさんの常連客が訪れる人気店です。ショーケースの中には、10種類ほどの焼きたてのベーグルが並びます。

店主は、ご主人と小学5年生の女の子を持つ榊原満美子さんです。『コハルベーグル』の名前の由来は、よく下の名前が「コハル」だからと思われますが、榊原さんのやっているブログ「小春日」から付けられました。

男性客:
「よく来ます。週1くらい。毎月新しいものを出してくれる。それがすごくおいしくて」
女性客:
「もちもちで食べ応えがあって…。もちもちが一番」
■味の種類も豊富…一番人気はナッツとフルーツの詰まったベーグル

他には無い美味しさと評判のベーグルは、国産の小麦粉と天然酵母で作っています。黒ゴマを生地に練りこんだ「黒ごま角切りベーコンチーズベーグル」(291円)や…。

「よくばりチョコベーグル」(291円)など、味の種類も豊富です。

店の一番人気は、「ナッツフルーツぎゅんぎゅんベーグル」(388円)。ドライフルーツやナッツ、栗などが、これでもかと詰まっています。栗のほっくりした食感やナッツのパリっとした食感など、噛む度にその表情が変わっていく絶妙な味です。

また、生地の中に明太子が入った「明太チーズもちベーグル」(291円)も人気です。「外はカリっと」「中はもっちり」として、クセになる味です。
■ママでも働きやすい出勤時間…7人のスタッフは全員子育て中

満美子さんの出勤は午前8時。現在店頭販売だけでなく、百貨店にもベーグルを卸しているため、総勢7人で作業しています。スタッフは皆、子育て中のママです。普通のパン店では、朝が早すぎて働けないママも、「コハルベーグル」でなら活躍できます。

スタッフの女性:
「ありがたいです。この時間帯で。いろいろ教えていただけて…」
別のスタッフの女性:
「最高です。明るくて元気になれます」
皆で、大好きなベーグル作りを続けるためにも、スタッフそれぞれが、無理をしすぎないのが店の方針。店主の満美子さんは、「細く長く続けていきたいと」話します。

前日に仕込み、一晩かけて発酵させた生地に、具を練り込んで成型していきます。鍋で2分ほど茹でて、オーブンで表面をカリッと焼いたら完成です。
■趣味で始めたら美味しすぎて通信販売開始…口コミで広がり売上伸びる

満美子さんがパン作りを始めたのは、社会人になりたての頃。趣味で始めたベーグル作りでしたが、趣味にしておくには勿体ないほど美味しくできたため、より多くの人に食べてもらいたいと思いました。
出産を機に退職した満美子さんは育児をしながら、自宅でのベーグル作りに没頭。そして一念発起、通信販売を始めると、瞬く間に人気に火が付きました。当時作った天然酵母は、コハルベーグルの原点です。

満美子さん:
「これ(天然酵母)は15年選手ぐらい。最初はレーズンで天然酵母をおこして、それから継ぎ足して使っています」

10年以上前から継ぎ足してきた天然酵母を使うことで、「外はカリっと」「中はモチモチ」という最高の食感に。その美味しさが口コミで広がり、売上げは順調に伸びていきました。
■39歳で出店決意…開店準備と娘の入園準備重なり悪戦苦闘

そして39歳のときに、満美子さんは通信販売で得た資金を元手に、店を構えることを決意。長女がちょうど幼稚園に入る年だったため、開店の準備と入園準備が重なり、悪戦苦闘をしながらもなんとか「コハルベーグル」をオープンさせました。

それからは仕事と家事を両立。頑張る満美子さんは、娘にとって自慢の母親です
満美子さんの長女:
「優しい、かわいい、大好き!」
満美子さん:
「いつも可愛いって言ってくれるんです」
■趣味で始めたベーグルづくりが「笑顔広げる店に」

充実した日々を過ごす今、満美子さんは通販の頃には無かった喜びを感じています。
満美子さん:
「顔を見て『ありがとうございます』とか、お客さんの感想とかを聞けたりとか…」

お客さんとの直接のふれあいが、満美子さんにとって一番のやりがいです。趣味で作り始めたベーグルが、今、たくさんの笑顔の輪を広げています。