新型コロナウイルスのワクチン接種でアナフィラキシーが疑われる事例も出ています。感染症の専門家にアナフィラキシーについて伺いました。

 三重県では、2回目のワクチン接種をした20代の女性が、吐き気を感じたり、首の周りが赤くなりました。また同じく三重県で、50代女性が接種後にめまいや冷や汗などで入院をしました。名古屋市の70代の男性は、接種後に胸の違和感を訴えて緊急搬送されました。

 いずれも「アナフィラキシー」が疑われています。

 アメリカの調査では、ファイザー社製ワクチンでのアナフィラキシーは100万回に4.7例とのことですが、三重県だけでも5月21日までに13例報告されています。(疑い含む)

 愛知県がんセンター病院の伊東医師に伺うと、「ワクチン接種の対象が医療従事者だからという可能性がある」ということです。

 ファイザー社製のワクチンにはPEG(ポリエチレングリコール)という成分があり、これに過敏に反応して副反応が出ることがあるそうです。PEGは下剤や整腸剤、錠剤のコーティング、超音波ジェル、軟膏など、医療現場で扱う医薬品に多く含まれています。PEGを多く体内に取り入れている可能性がある医療従事者がワクチンを接種していて、アナフィラキシーの症例が増えたのではないかということです。

 ただワクチンの「接種会場」では、仮にアナフィラキシーの症状が出た場合でも速やかに処置・診察する体制が整っていて、これまで日本でコロナワクチン接種でのアナフィラキシーの報告をされた人は、全員回復しているということです。

 しかし、気になる事例も出ています。

 三重県に住む40代の女性が、ワクチンを接種した2,3日後に子宮から出血。接種5日後の早朝には、突然呼吸困難を訴えて心肺停止になり、その後亡くなりました。女性は子宮腺筋症の基礎疾患があったということです。

 厚生労働省のデータによると、ワクチン接種後に亡くなった例は、日本で5月7日までに39件ありました。

 これに対し伊東医師は「今のところ、ワクチンと症状の因果関係が証明されたものはない。なので、この一件でワクチンが危険だと判断するべきではない」と話しています。