名古屋・栄の地下街の老舗レコード店「音楽堂」が5月31日、多くの人に惜しまれ、閉店しました。老舗の閉店…コロナの影響による苦渋の決断でした。
名古屋栄の地下街にある老舗レコード店「音楽堂」。

55年前から続く、全国屈指の売上を誇る名物店です。

しかし5月31日、その歴史は最後の日を迎えました。
内田社長:
「最後ですけどね…思いたくないですね。色んなことが本当に走馬灯のように頭をよぎって…」

時は高度経済成長期。名古屋市営地下鉄が開通し、その12年後に地下街「サカエチカ」が開業。

地下街には多くの人が行き交い、サカエチカ店はオープンしてたちまち主力店に。1日2000人以上が来店しました。しかし…。

内田社長:
「スマホ時代になって、配信がより自分の手元に届くようになった。1枚3000円~4000円出すというのは、なかなか苦しくなってきた」
この10年で進んだ音楽のネット配信。レコードやCDの売れ行きは落ち込み、11店舗のうち10店舗を閉店。その窮地を音楽雑貨の販売などで凌いできましたが…。

内田社長:
「夜2時3時に目が覚めて汗をぐっしょりかいて、涙を流しながらいた自分が半年以上前から続いていますので、苦渋の決断でしたね。サカエチカから音楽の灯を消したくないという思いがあったものですから」

コロナの影響で、売上は最盛期の10分の1に。およそ300万円という家賃もあり、2020年、閉店を決意しました。
店長:
「こんな気持ちになるとは思ってなかったんですけど。…すみません…」

スタッフ同様、お客さんにも特別な場所です。

常連客の女性:
「子供のころからずっとお世話になったお店。1つの心の故郷かな」
別の女性:
「サカエチカに来ると、何もなくてもここへ立ち寄って、すごく落ち着く大好きな場所です。それこそ青春の思い出みたいな感じですね」

そして、最後の時。社長が…。

内田社長(挨拶):
「どうも皆さん、最後まで音楽の灯りを消さない、これを胸に頑張ってまいりましたけども、ついに今日閉店することになりました。今日店頭に立って、本当にたくさんの人に支えられてきたことを実感しております。本当に素晴らしいお店でした。従業員の皆さん、最後まで一緒に頑張っていただいてありがとうございました。本当にありがとうございました」

今後「音楽堂」の名前は残し、御園座のCD販売の手伝いのほか、新たに演劇やコンサートなどイベントの映像制作を手掛けるということです。