コロナ禍の中、野菜を作る生産者が飲食店と直接組み、新しいメニュー開発をしています。愛知県安城市のチンゲン菜農家は、町の中華料理店とコラボ。規格外のサイズのため市場に出回らないチンゲン菜を使った産地直送の新メニューが、店の新たな名物になっています。

■生産者と飲食店が直接タッグ…新メニューは「青梗菜のベーコン炒め」

 愛知県安城市にある、中華料理店「東天紅」。地元客を中心に長年愛されている町中華です。甘辛く仕上げた、「手羽先」(385円)や、味仙で修業した店主が作る「台湾麺」(572円)などが人気です。

 この店が生産者とタッグを組んで生まれた産地直送グルメは、「青梗菜とベーコンの炒め」(638円)です。

■「飲食店とコラボし販路広げたい」…コロナ禍だからこその生産者の新発想

 使っているチンゲン菜を作っているのは同じ安城市の「大橋農園」です。年間200トンものチンゲン菜を生産しています。生産者の大橋正樹さんの育て方には、こだわりがあります。

大橋さん:
「カニ殻、魚の粉末を入れて、いい土づくりをしています。うま味が増して、美味しくなります」


 美味しいチンゲン菜作りに重要なのは「土」。肥料に、カニの殻や魚粉を入れることで、土の中の微生物が活発になり、シャキシャキでうまみが増したチンゲン菜に育つといいます。

 東天紅で使うのは、小ぶりのチンゲン菜。あえてこのサイズを仕入れている理由は、大きいものは分厚く固いが、小さいものは柔らかいためだといいます。

 お店では、市場には出回らない規格外のサイズの新鮮なチンゲンを大橋さんから仕入れ、その日のうちに調理し提供しています。柔らかくてシャキシャキのチンゲン菜を特製の醤油で味付けした、店の新しい名物です。

 チンゲン菜を生産する大橋さんは、「新たな販路を広げるために飲食店とコラボし、お店の名物となるようなメニューを開発していきたい」と話します。コロナ禍だからこその生産者の新発想です。