新型コロナの影響で「高級腕時計」の値段が高騰しています。その理由を取材しました。

 名古屋・大須の「コメ兵」の腕時計売場。およそ4000点が並ぶフロアには、誰もが知っている有名ブランド時計が並んでいます。この高級時計の市場に「異変」が起きています。

 5年前は200万円で販売されていたロレックスが倍の400万円…。空前の「相場高騰」が起きています。

 真剣な表情でロレックスを見つめていた男性。

男子大学生:
「さすがロレックスですね」

 来年、社会人になるのを機に、「大人の時計を」とやってきたそうですが…。

男子大学生:
「かなり値上がっているのかなとビックリしています。頑張って稼がないとなという気持ちでいっぱいです」


 ちょっと手が出ない様子。この高級時計の価格高騰の背景には新型コロナの影響がありました。

コメ兵名古屋本店の店長:
「なかなか海外旅行に行けない方ですとか、結婚式が行えない方が、何か記念に物に変えたいというような需要が高まっていると思います。それに加えて、コロナ禍において流通量が限られていて、需要と供給があっていない状況です」


 コロナによりメーカーの生産が落ち込み流通量が減っている一方、人々が旅行や外食などにかけていた費用を「モノ」に費やすようになったため、需要に供給が追い付いていない状態だといいます。

 価格高騰の影響は、中古品の買い取りにも…。

理髪店経営の80代男性:
「ロレックス。55年ぐらい前のやつ。38、39万円ぐらいだったね」


 男性が40万円ほどで購入したロレックス。50年以上使っていましたが…。

鑑定士:
「本日の相場で30万円という金額でございまして」


 30万円の値が付きました。

 20歳の頃に買った時計を査定に来た40代の男性は…。

会社員の40代男性:
「アルバイトを一生懸命やって買いました。オメガですね。買ったときは20万円ちょっとだったと思うんですけど。外に出る時間は減ったので、物は減らしていこうかなと思ったので」

 おうち時間が増え、自宅の整理で出てきた使わない時計を処分する人も増えているようです。

鑑定士:
「かなり最近スピードマスター(時計の種類)の相場は上がってきているので、ご売却を検討されるタイミングとしてはとてもいいと思います」


 25年前に20万円で買った時計は、購入時からプラス5万の25万円に。

 高騰が続く高級時計。いまが売り時…かもしれません。