岐阜県高山市に、ユニークな綿菓子を出す専門店があります。普通のお店では他店と差別化できないと考えた店主が考案した、飛騨牛を使った綿菓子です。

■昔ながらのザラメで作る大きな綿菓子…古い町並みにオープンした専門店

 岐阜県高山市の「古い町並み」からすぐの場所に、4月にオープンしたのが綿菓子専門店「岩ト屋」です。

 高山の町並みになじむ古民家を改装したこの店は、昔ながらのザラメで作る「プレーン」(600円)をはじめ、クランベリーのパウダーをふりかけた「真っ赤なベリー」(700円)や…。

 ココアパウダーをまぶした「ショコラ」(700円)など、バリエーション豊富でサイズも大きな綿菓子が揃います。

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■綿菓子を割り下に溶かしていくと…飛騨牛を使った本格的な「すき焼き」が完成

 この店が提供するのは、普通の綿菓子だけではありません。それは、店主の岩畑慎哉さんが考案した、飛騨牛を使った綿菓子「すき焼き」(950円)です。

 上に乗せられた綿菓子を容器の中に溶かしていくと、肉と卵が見えてきました。

 容器の中のすき焼きは、A5等級の飛騨牛の赤身を使い、豆腐とネギ、卵黄が乗った本格的なものです。柔らかい飛騨牛はもちろんのこと、割り下に溶けた綿菓子のザラメが、品のある甘さを演出します。

岩畑さん:
「綿菓子ありきのすき焼き。楽しみが、最後の完成をお客さんがしていただく」

 食べるまでウキウキするすき焼きです。

■差別化するため飛騨牛と綿菓子をマッチング…「飛騨牛綿菓子」は話題に

 店主の岩畑さんは、名古屋の飛騨牛をメインにした飲食店に勤めていましたが今年1月、奥さんの実家がある高山に移住しました。当初は、使い慣れた飛騨牛を出す飲食店を考えていましたが…。

岩畑さん:
「色々考えたときに綿菓子乗せて、それを割り下代わりに使うのはどうだろうと思って…。これがうまくいって今の形になった」

 高山には飛騨牛を出す店が多いこともあり、他と差別化するために綿菓子と組み合せることを思いつきました。

 ちなみに飛騨牛の店のはずが、綿菓子専門店になったことについて奥さんは、「いつも直感で決め、いろいろ成功させてきている」と夫へ信頼を置いています。

 岩畑さんは、「綿菓子の大きさ、すき焼きの珍しさ、思い出に残るものだと思うので、観光スポットのひとつになってほしい」と高山が活気づくことを願っています。

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