7月3日に静岡県熱海市で大規模な「土石流」が発生しましたが、過去には東海3県でも起きていました。

 土石流や地盤などに詳しい名古屋工業大学の張鋒教授(62)は、東海3県にも危険な場所は多いと指摘します。

名古屋工業大学の張教授:
「(Q.東海3県で土石流が起きる可能性は?)もちろんあります。奥飛騨とか、三重は山間部になったら、あちこちそういう地質があるので」


 東海3県で発生した大規模な土石流では、岐阜県白川町で1968年に起きた「飛騨川バス転落事故」があります。国道を走っていた観光バス2台が記録的な豪雨による土石流にのまれ、飛騨川に転落。

 増水した濁流に救助活動は困難を極め、乗客・乗員107人のうち104人が犠牲になりました。奇跡的に助かったのはわずか3人でした。

張教授:
「土石流は基本的に谷沿いに発生します。熱海もそうですが崩壊した土石が、大雨とか外力を加えた場合、水と一緒に混ざって泥流のようなものが勢いよく谷沿いに滑ってくる。最大速度は時速40-50キロにも達しますので、恐ろしいことです」

 2004年9月には、三重県の旧宮川村が1時間に110ミリを超す豪雨に見舞われ、死者と行方不明者は7人にのぼる惨事に。

 同じ年の10月には、高山市で台風23号の影響で土石流が発生し、住宅が倒壊するなどの被害が相次ぎました。

張教授:
「谷沿いとか斜面の上に住んでいる方々は、自分の住んでいる地形がどういう状況か事前に把握しておいて、県・自治体が出されるハザードマップをしっかり理解して、警戒しなければいけない。そういった状況になったら、どうやって避難するかしっかり理解したうえで、自宅で安全に住めるような状況を自ら作らなければいけない」

 過去に土石流が発生した谷や渓流付近では再び起きやすく、注意が必要です。