愛知県春日井市に、2021年4月にオープンした食肉卸の会社が営む精肉店があります。三重が誇る松阪牛や沖縄県産のブランド豚など、良質なお肉が安いと評判です。揚げたてのオリジナル餃子や分厚い牛肉コロッケなどの惣菜も人気です。

■他の店と比べおよそ3割安い…霜降り松阪牛や沖縄ブランド豚がお値打ち

 春日井市民病院の西にある「ミートショップ 旨し 質よし にくよし」。食の仲卸の会社が初めて出店した精肉店です。ショーケースには、霜降り肉の代名詞“松阪牛”に、沖縄県産のブランド豚“あぐー豚”など高級なお肉が並びます。

女性客:
「松阪牛のステーキが楽しみです」
「スーパーで買えないものをこっちで」
「松阪牛は売っているところが少ないので食べてみたいなと」

 松阪牛といえば、三重県が誇るブランド牛。見事な霜降りのサーロインステーキが100グラムあたり1780円。モモの切り落としが100グラムあたり1180円で売られていました。他の店と比べおよそ3割は安いといいます。

 脂やすじを取り除くなどの手間も惜しみません。取り除いたすじや脂は、ミンチにして飲食店へ。ハンバーグなどに活用します。こうした無駄のなさも価格を抑えることにつながっています。

 食肉卸の会社が小売店を始めたきっかけは、コロナの影響で本業の食肉卸の売上がダウンしたことでした。「折角の良い肉を食べてほしい」。その思いから小売店を開くことを決め、他の店と差別化するため、あえて高級な松阪牛や珍しい沖縄のブランド豚を揃えました。

■黒毛和牛の大ぶりのミンチを使い…店の名物にしたい自信のハンバーグ

 焼肉用のお肉を求め初めて来店したという家族。奮発して松阪牛のサーロインステーキを注文しました。

父親:
「もっと高いイメージがあるので、お安いのかなと」

 女性は「松阪牛リブロース」(100グラム1780円)をオーダーカット。ステーキ用やしゃぶしゃぶ用など、好みの厚さに切ってもらうこともできます。

女性客:
「毎回は買えないですけど、たまには食べたいと思います」

 松阪牛以外にも「味付けカルビ」や「黒毛和牛たっぷりハンバーグ」(1個250円)などもあります。ハンバーグは、直径およそ1センチのミンチを、つなぎをほとんど使わずに成形し、店が名物にしたいという自信作です。噛み応えのある黒毛和牛の大ぶりのミンチに、あふれ出る肉汁が食欲をそそります。

別の女性客:
「ハンバーグは食べたら、アクがなくて美味しかった」

 すでにリピーターが付いていました。

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■ヘルシーなのが特徴…沖縄の豚と西洋豚を掛け合わせたブランド豚

 豚肉のイチオシは「あぐー豚」です。沖縄にしかいない豚、アグーと西洋豚を掛け合わせたブランド豚です。生産性が上がり、沖縄県外にも出荷できるようになったといいます。とろける脂身を持ちながらも、コレステロール値が低く、ヘルシーなのが特徴です。

 若い夫婦は、「あぐー豚 ローステキカツ」(100グラム480円)と「国内産豚 ローステキカツ」(100グラム235円)を購入しました。食べ比べするといいます。

母親:
「あまり出かけられないし、家で食べることぐらいしか楽しみないので。ちょっとぐらい良いお肉でも」

 娘が誕生日だという家族は、「あぐー豚」を求めて、来店しました。

父親:
「(このようなお店が)中々探しても無いので、それが地元にあるっていいなと思います」

 家庭でお値打ちに焼き肉を楽しめる「BBQ焼肉セット(4~5人前)」(3980円)も人気です。牛タンにカルビ、ロースなど6品がセットになっています。

■精肉店ならではの総菜も人気…揚げたてが購入できるコロッケや餃子

 店のもう一つのウリは、揚げたての惣菜です。定番の「北海道男爵牛肉コロッケ」(1個160円)は分厚くて、肉もたっぷり入っています。

 豚バラをじっくりと煮込んだ「煮豚」(100グラム 298円)もあります。

 特にこだわっているのが、店のオリジナル餃子の「あぐー餃子」(12個入378円)です。あぐー豚のミンチで作ったタネを特注の皮で包みます。注文すればその場で焼いてもらうこともできます。タレを付けなくても、肉の旨味で十分おいしくいただけます。また、同じ価格で冷凍したものもあります。

女性客:
「水餃子にして食べたり、焼いていただいたりしています」

「新型コロナに負けず、いい肉を安く提供していきたい」と話す「にくよし」の社長。食肉卸が営む精肉店には、値打ちなブランド肉に、食欲をそそる惣菜がありました。

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