オンブズ東海
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活動報告

「オンブズ東海」第2回委員会 概要

<日 時>
2012年5月15日(火) 16時30分~18時
<場 所>
東海テレビ放送本社
<出席者>
神尾隆委員長 河村雅隆委員 橋本修三委員 浅野碩也社長 祖父江伸二常務

委員会では、第12次経営計画の骨子、ぴーかん問題を受けての再生への取り組み、視聴者からの意見とその対応、BPO(放送倫理・番組向上機構)の動きなどについて、会社側からの報告と委員による意見交換が行われました。
主な議事の概要は以下の通りです。

会社側からの主な報告

第12次経営計画

2012年4月にスタートした3ヵ年の「第12次経営計画」について、浅野社長が、ぴーかん問題を受けて「安心安全」「良質な自社制作番組への取り組み」と「コンプライアンス経営」を目指し必要な人員体制と予算を整えること、また第11次計画が「地域ナンバーワンのテレビ局」をビジョンに掲げていたのに対し、第12次計画では「地域最良のテレビ局」としていることなどを説明しました。

再生の取り組み

3月17日に開かれた再生委員会で委員から報告された各部署の取り組み、岩手支援の取り組み、再生委員会答申の提言が着実に実行されているかチェックする体制などを報告しました。
岩手支援については、1月28日に放送した岩手支援番組や「スタイル+」「ぷれサタ!」などで放送した岩手・東北支援特集の一部を委員に視聴して頂きました。
各部署の取り組みでは、報道や制作現場でそれぞれに「ハンドブック」を作り放送人教育を行っていること、3月に再生委員会委員長・音好宏氏を講師に従業員・外部スタッフ180人が参加して行われた放送人研修会のもようや、スタッフの実体験や視聴者の声を「ヒヤリハット情報」として共有していることなど、コンプライアンス意識向上に向けた活動を報告しました。

視聴者からの意見や苦情、その対応

2月~4月に視聴者から頂いた番組やイベントに対する電話やメールの件数、苦情の内容とその対応について以下のように報告しました。

  • 社会福祉施設に通う園児の特集で、別の園児の保護者の顔が映ったことに対して苦情が寄せられ、今後は施設側と綿密な確認を行うこととした。後日、同じ映像を使用した際にはモザイクをかけて放送した。
  • ニュースで使ったシラスウナギの資料映像が間違っていたことに関して「勉強不足」などの苦情が多数寄せられた。
  • 3月に開催予定だったクラシック音楽の公演で、指揮者の体調により中止の措置をとった。

以上の報告内容について、委員から放送倫理違反や人権侵害等の指摘はありませんでした。

委員からの主な意見

  • 制作現場でハンドブックを作り、徹底しようとしているのは大切なのでぜひともやるべきである。しかし人がやることには必ずミスが生じるので、ミスが生じた時にどのように見つけて対応するかという体制作りを強化して欲しい。
  • 何かあった時に一番大切なのは初期対応であり、迅速な連絡体制が整っているかが求められる。
  • 番組やドキュメンタリーは、取材する側とされる側のキャッチボールで成り立つ共同作業。テレビの持つ役割や放送の責任について制作側が十分説明して納得して頂くこともコンプライアンスにつながるのではないか。
  • コミュニケーション強化のため、面談を番組制作現場で頻繁に実施しているのは良いことであるが、堅苦しくなったり、窮屈にならないように留意すべきである。
  • 福祉施設で顔が映ったと苦情を言って来られたことに対して、制作側がその意図を尊重してモザイクをかけて対処したのは評価できる。しかし説得や議論を重ねて分かってもらえる場合もあるので、制作側もそういった努力もしてほしい。
  • 岩手支援番組に笑顔が多く出てくるが、実際には瓦礫も5%しか処理されておらず大勢の人が仮設住宅に入っているなかで、少し違和感を覚える。復旧への対応がまだ十分ではないことを訴えて政治を動かす要素があってもいいのではないか。
  • 取材、番組制作が難しい時代となり、丁寧な対応が求められているが、それが逆に報道の委縮につながらぬよう、細心の注意を払いながらも委縮せずに制作して欲しい。