オンブズ東海
活動報告
「オンブズ東海」第3回委員会 概要
- <日 時>
- 2012年9月18日(火) 午後3時30分~午後5時10分
- <場 所>
- 東海テレビ放送本社
- <出席者>
- 神尾隆委員長 河村雅隆委員 橋本修三委員 浅野碩也社長 祖父江伸二常務
喜多功報道スポーツ局次長兼報道部長
委員会では、ぴーかんテレビ不適切テロップ問題から1年が経過して行われた一連の行事、従業員・協力会社スタッフを対象に実施したアンケート、その他再生への取り組み、視聴者からの意見とその対応、BPO(放送倫理・番組向上機構)の動きなどについて、会社側から報告し、委員との意見交換をしました。
主な議事の概要は以下の通りです。
会社側からの主な報告
「放送倫理を考える日」の行事
不適切テロップが放送された8月4日を「放送倫理を考える日」と定め、今年は8月2日に前倒しして全社集会を開き、この一年の総括や各部署の取り組み報告を行ったこと、7月を「放送倫理を考える月間」として社内にポスターを掲示し各部署ごとに勉強会や点検を行ったこと、「メッセージ1」(特別版)を放送し、これまでの再生の取り組みを視聴者に紹介したこと、それらに対する視聴者の反応などを説明しました。
再生の取り組み
ぴーかん問題以来行ってきた再生の取り組みに対する評価を調査するために8月下旬~9月上旬に従業員・協力会社スタッフを対象に実施したアンケート結果の概要を説明しました。全体の回答数は371件、東海テレビ従業員の回答率は62%であったこと、内容については全体の8割が「再生の取り組みが十分または少しは進んでいる」と評価していること、放送倫理に対する理解や意識が高まっていること、職場コミュニケーションについては「かわらない」が依然過半数を占めていること、それぞれの職場であったヒヤリ・ハット事例などを報告しました。
また、8月に開催された再生委員会で、当初1年間の予定で昨年8月に設置された再生委員会の活動延長について話し合った結果、当面延長していくことを報告しました。
視聴者からの意見や苦情、その対応
5月~8月に視聴者から頂いた番組やイベントに対する電話やメールの件数、苦情の内容とその対応について以下のように報告しました。
- 5月31日の住宅火災報道において死亡した女児の顔写真を取り違えて放送。計6回訂正・お詫び放送をし、視聴者から苦情が寄せられた。この件について、報道スポーツ局次長が、間違えた経緯、写真の確認は複数の人間に行っていたが確認方法にもう少し慎重さが必要であったこと、今回の反省を元に再発防止策を部内で徹底したことを説明した。
- データ放送のプレゼントキャンペーンでたまったポイントが突然消えるという問合せや苦情が複数寄せられた。システムに不具合はなかったが、テレビの機種によってはバージョンアップによりポイントが消失する可能性があるため、問合せのあった視聴者には、プレゼント応募を受け付けて対処した。
以上の報告内容について委員から放送倫理違反や人権侵害等の指摘はありませんでした。
BPOの動きについて
日本テレビの番組『news every.』の「飲み物の安全性」報道に関して、BPO放送倫理検証委員会が審議の結果、7月末に「放送倫理違反」と指摘した事案を説明しました。
委員からの主な意見
- 8月4日を「放送倫理を考える日」と定めたことは、ぴーかん問題が起きた日のことを心に刻むという意味で非常に意義が大きい。
- 「再生の取り組み」アンケートでは、「再生が少し進んでいる」の方が「十分進んでいる」よりも多かったので、今後2年目3年目も実施してさらに再生が進んでいくのを確認して欲しい。
- 従業員のアンケート回答率が62%とあるが、少し低いのではないか。
- アンケートの自由記述は有意義である。制作現場で大切なのは「風通しのいい職場」であることと「自己管理」だと思う。コミュニケーションについての皆の記述にそれが適切に書かれている。
- 顔写真の取り違え報道について、写真の入手作業は情報の精度を高める上で重要であるが、確認は多面的に、より丁寧に行うことで間違いを防ぐべきである。また、最近では写真を使うか使わないか、実名を出すか否か、モザイクをかけるか否かという判断も重要なので、デスクの指示も極めて大事である。
- 月刊の社内報「コンプライアンス通信」でヒヤリ・ハット事例を載せているのはいいこと。誰がやっても問題は起こりうる中で、ヒヤリ・ハットを沢山集めて共有することが大切。系列局や他のテレビ局とそうした事例を交換し合って共有してはどうか。
- テレビのフレームからは作り手の目によって選択されたものが結果として出てくる。だからこそ、常識性、市民性が何よりも必要で、制作現場の中で色々な人間が目を光らせながら色々なことを言うのが大事である。
- 再生委員会が継続されるのは、大変いいこと。新たな意欲で再生に向かって欲しい。いずれその役割を継承することになるオンブズ東海もサポートしていきたい。
浅野社長挨拶
ぴーかん問題から1年過ぎたが、アンケート結果などを見ても、まだまだ「道半ば」と感じる。社内外の人間が一緒に同じ方向を向いて考えることは簡単ではないが、そういう状態になることが「再生」だと思う。そのためには再生委員会や社内で色々な議論を重ね、その内容について今後もオンブズ東海の方々にご意見を賜り、参考にさせていただきたい。