矢崎絵里子(50)
筒井真理子

 矢崎の妻。重い病で余命幾ばくもない。心の底から矢崎を愛し、感謝している。香織を娘のように思いながら一人前の女として扱う。
 「愛ってね、好きな人の全てを許すことよ」
 「じゃあもし、おじさんがおばさんと別れて他の女の人にところへ行っちゃったら?」
 「喜んで別れるわ、それであの人が幸せになるのなら」
 そこに見栄や嘘がないことを、香織は次第に気づいていく。