2018年4月7日(土) よる11時40分〜

Specialスペシャル

Topicsキャスト紹介 その②

 瑠美や千夏を取り巻く様々な人々。看護学校で瑠美たちを指導する人々や、瑠美の父親・信吾を演じるベテランの皆さんの作品に対する感想などを紹介します。

 放送を見て、改めて真摯でメッセージ性のあるドラマに参加していると感じています。出来ることなら主人公の瑠美と同じ頃の私にこういうドラマを見て、将来のことをもっと真面目に考えなさい、と言いたいくらい(笑)。あの頃は本当に何の目標もなかったので。

 制服が似合うと言っていだくことが多くて、何かしら職業人を演じるとき、どこか癖のあるキャラクターを演じることも多いのですが、今回はシンプルに真っ直ぐ波多野を演じようと思いました。台本を読むと、生徒役の人たちが波多野のことをあれこれ話していたんです。そこで周りの人のセリフから波多野のキャラクターを作り、“周りから見た波多野”を演じています。

 今回は衣装合わせのときに、メガネは外してください、とのリクエストがあったんです。現代物のドラマではほとんどメガネを掛けていますし、最初に「メガネでお願いします」と言われることもあるほど。ですから、メガネを掛けていないのは、それだけで恥ずかいですね。裸になった気分です(笑)。

 佐伯さんに対しては、「主婦として幸せなのに、仕事もなんて」と多少のわだかまりはあったのかもしれません。でも、最終的には学校を卒業してほしい、立派な看護師になってほしい、との思いのほうが上回った気がします。セリフにも佐伯さんのことを応援するものがあって、これには照れました。「ずいぶんな“美人セリフ”だな」と。ただ、そこは佐伯さんの決意表明といえるシーンなので、私は勿論、美人になって言いました。

 私は個性的な役者が多い「大人計画」に所属しているせいか、私自身も強烈な性格だと思われることが多いんです(笑)。そんなことはまったくなくて、でも現場でおもしろいリアクションを求められることもあります。求められれば全力で応えます。ただ、ちゃんと出来ているかいつも心配です。今回はそういう演技とは真逆のものが必要でした。まだまだスキルがないので、波多野を演じるのはいろいろな意味で挑戦ですし、視聴者の皆さんに新鮮に思っていただけたらうれしいです。

*さらにもう1問。宍戸さんの“白い部分”を教えてください。
 この仕事を始めた頃の、真っ白なスケジュールしか思いつきません。真面目なことを言えば、かつていろいろと白い部分があったと思います。年齢を重ね、ずいぶん淀んでしまったとの自覚があるので、今後は以前の白さを少しでも取り戻せるよう努力をしていきたいですね。

 この作品は看護学校のお話が主軸でありながら、主人公の瑠美(新川優愛)を通して、人生のいろいろな葛藤が描かれています。瑠美は看護学生として人の生と死に向き合い、家族や友達関係においても葛藤しながら成長していく。きっと若い人たちは瑠美に共感する部分があるでしょうし、年齢を重ねた方たちが見ると、またとらえ方が違うと思うんです。そういう意味では、まさに“白い羽根”のように、見方によって何色にも染まることができる作品だなと感じました。

 

 僕が演じる信吾は製薬会社に何十年も勤めていましたが、うつ病になり会社を辞めてしまうんです。今まで父として夫として家族を支えてきた信吾が、今度は逆に家族に支えられ奮起していく。ドラマの中ではうつになるまでの過程がそんなに克明には描かれていないので、その部分を埋める作業は難しかったです。瑠美の父親という面に関しては、お父さんを演じようとするのではなく、もうお父さんそのものになりきるというか。芝居をしないで、そのまんまでいることで、父としての存在感が出ればいいなと思いながら臨んでいました。

 娘役の新川優愛ちゃんとは初共演でしたけど、すごく気遣いのできる人で、若いのにしっかりしているなと思いました。現場ではやっぱり年齢も全然違いますしね、そんなにベラベラしゃべったりはしなかったですけど、その感じがそのまんま父と娘の距離感になっていたんじゃないかな。お互い気にかけているし、愛情も感じているんだけど、目を合わせて会話したりはできない…みたいな(笑)。そんな父と娘として、そのまんま現場に立つことができたんじゃないかなと思います。

 信吾の妻・智子役の榊原郁恵さんとは、以前「プラチナエイジ」という作品でご一緒して気心知れた仲なので、撮影の合間もいろいろおしゃべりしてましたね。あと、同じタイミングで収録が終わった時は車で駅まで送ってもらったし(笑)、すごくお世話になりました。今回は夫婦役での共演でしたけど、最初から違和感なくすぅ~っと夫と妻の空気感になれて、夫婦としてもそこにそのまんまいればいいんだなという感覚がありました。

 物語全体としてはまだまだいろんな展開がありますが、信吾としてはやはり家族の部分を見ていただきたいですね。瑠美も含め、これからまたそれぞれが成長していくと思うので、木崎家を最後まで見届けていただけたらうれしいです。

*さらにもう1問。春田さんの“白い部分”を教えてください。
 もう何十年も俳優をやっていますけど、この年齢になっても芝居というものに対しては、まだまだもがき続けているので、そこは白い部分かもしれないです。「あぁ、またこんな芝居をしてしまった」と常に反省していますし、毎回毎回これでいいんだとは思えない。キャリアを積んでいくと周りからはベテランみたいに見られるじゃないですか。でも自分自身はやればやるほど、もがいたり葛藤したりすることが増えていく感覚があって。俳優としての自分は、もしかしたら逆にどんどん真っ白になっていっているのかもしれないですね。

 かつて泉ピン子さん主演で長く続いた「腕まくり看護婦物語」というシリーズに、私も出演していました。医療ドラマは決して無くならないし、看護師さんもドラマで描くことが多い職業なのでしょうね。人の生き死に接するお仕事ですし、それに付随する問題があちこちに散りばめられていますから。ただ、この作品の主人公は看護学生で、学生の心情がこれまでの医療ドラマにはないタッチで描かれているな、と感じました。

 岩谷は厳しさの中に優しさのある人物だと思います。生徒たちを温かく包み込むような人ではありませんが、そういうキャラクターは撮影が進む中で作られたものです。なんせ、校長の番匠さんが何を考えているのか分からない(笑)。さらに教師の波多野さんは口調が落ち着いているので、その中間にいる人間として、岩谷がいま演じているような感じに落ち着きました。私としてはキツく演じようとは思っていません。それより、自分の職責をしっかり果たそう、ということを大切にしている人物に見えることを意識しています。さらに、学生たちへの言葉も、自分が看護師になるために通ってきた道だから、しっかり説得力を出せればいいな、と思っています。

 ドラマに加え、映画や舞台などさまざまなお仕事をさせていただく中で、実はいまだにドラマが一番難しいです。なぜなら、役者がどういう姿勢でその作品に取り組んでいるのか、見ている方にダイレクトに伝わるのがテレビドラマだと思うんです。視聴者の目は節穴じゃありません。いい加減な気持ちで演じていたら、すぐ見抜かれますよ。今回は看護学生の物語だけに、若手のキャストも多かったですし、皆さんには真面目に演じる気持ちは大切にしてもらいたいです。私から言えることなんて何もありませんが、真面目に演じていれば自分に何が欠けているのか、何が必要か分かるはずです。役者ってすごい仕事ですよ。私だって未だに大先輩の市原悦子さんや佐々木すみ江さんから、いろいろなことを気づかされ、教えられるんですから。

*さらにもう1問。角替さんの“白い部分”を教えてください。
 考えれば考えるほど無いですけど(笑)、割と正直なほうだと思います。いや、かなり正直です。ダンナ(柄本明さん)と劇団をやっていて、40代、50代になっても演じることにひたむきなメンバーが多くいます。彼らといつも交わっているおかげか、いくつになっても正直でいられますね。