インタビュ-

神保悟志さん(三遊亭柳枝役)

――鈴子(ミヤコ蝶々)の最初の夫になる実在した人物・柳枝を演じる神保さん。来週から鈴子と柳枝の激しい恋の物語が幕を開ける。
 「柳枝師匠は好色で、自分の感情や欲望をストレートにバッと出せる人。こういう生き方って子供の頃は男女に関係なく出来ていたと思うんです。でも大人になるにつれ、普通なら自制していきますけど、柳枝師匠は違います。そこがチャーミングだなって思いますね」
――柳枝は鈴子より17歳年上。鈴子は柳枝のどんな部分に惹かれたのだろう。
 「まず柳枝師匠には年齢にとらわれない可愛さがあります。最初は年が離れていることが気になったとしても、一度惹かれてしまったら17歳だろうが20歳だろうが、年が離れていても気にならなくなると思いますよ。それに加え、柳枝師匠は結婚していながら別の女性の面倒を見ることのできる財力もあったわけですから。そういう“男の甲斐性”があったからこそ、彼もいろんな女性をどんどん好きなっていったんじゃないですか」

――神保さんは昨年、この枠で放送された「さくら心中」に出演。前作で演じた役と柳枝役には、好色で、財力があって、自分の欲望に正直で…と、いろいろな部分で共通点があると思っているそうだ。
 「『さくら心中』はいろいろと反響をいただき、視聴者の皆さんが僕の役をとても好意的に受け入れてくれたんです。最初はそんな風に好評を得るなんて思いもしなかったんですよ。実年齢よりかなり年上の役でしたが、老けメイクをして、お腹にたくさん詰め物をして体型も変えて。『これで何をすればいいんだ』って思ったんですけど、演じ始めると役にどうすればリアリティが出て、説得力も出るのか考えるようになりました。今回の柳枝師匠もある部分では突き抜けた人なので、そこはためらうことなく演じつつ、やっぱりリアリティを出していきたいと思っています。また前回は台本を読むたび、『こんなことをやるんだ』と驚かされてばかりでしたが今回もすごいシーンがたくさん登場しますよ(笑)。それは普段の僕からしたらまず経験できないようなことばかりなので演じている時は楽しいんです。でも冷静に考えると、かなり過激なことをやっているので、『放送後にはご近所を歩けなくなるんじゃないか』とちょっと心配しています(笑)」

――神保さんはさらに、大石静さんの台本にも大いに刺激を受けているとか。
 「一度観出したら止まらないですよね。オモチャ箱をひっくり返したような作品なので。この作品はシーン数も多いんですけど、撮影が進むにつれ、演じている側と撮る側のコミュニケーションが取れてきて、今ではあうんの呼吸で何でも進むようになっています。そうなると良い相乗効果が生まれ、より作品が面白くなるんです。台本も一人ひとりのキャラクターが際立っていて、どの人物も素敵なんですよね。魅力ある登場人物が揃っているから話が面白いに決まってます。読み物として十分引き込まれますが、僕は演じている人間がさらにこの作品を面白くしたい、何かプラスαを加えたいと思っているんです。柳枝師匠の感情を深い部分まで表現したいし、演じ甲斐のある場面をたくさん用意してくださったんだから、期待に応えつつ、何かしらスパイスを利かせていきたいですね」

――今回、神保さんは劇中で“多彩な芸”に挑戦。落語に漫才に、歌まで披露する。
 「どれもこれも楽しんでやっています。毎回、指導の先生がついてくださり、舞台の場面では僕が何をやっても観客役のエキストラの皆さんがウケてくれるので。必ず笑ってもらえるという前提がある上で、ネタを披露するのはもう快感ですよ。エクスタシーを感じます(笑)。一回こんな感情を味わってしまったら、そうそう舞台から降りられないはずですよ」
――実際の柳枝は人気も実力もあり、関西芸能界で大活躍した人物だ。
 「柳枝師匠の落語は相当艶っぽくて、ほとんどのテレビ局で放送ができなかったし、その過激な内容から劇場でも一時、上演できなかったそうです。でも、性欲、エロスって言うのは人間の欲求の一つだし、それを笑いに昇華させられるなんて並の芸人には出来ませんよね。鈴子は柳枝師匠の芸人としてのすごさに惹かれた部分も大いにあると思います」

――鈴子と柳枝の結婚についてはどう感じているのだろうか。
 「やっぱり同業者同士の結婚って難しいですよね。どうしても最終的にライバルになってしまうので。鈴子が芸人として才能を開花させたのは、柳枝師匠との出会いも大きかったと思います。ただ結婚してしまうと、相手に優れた部分があれば尊敬しつつ嫉妬もしてしまいます。そうなったら衝突は避けられないし、それが嫌ならどちらかが折れるしかないですよ」
――神保さん自身も奥様(鮎ゆうきさん)が女優という家庭環境だが…。
 「僕の場合は幸い、妻が家庭を優先し、僕のフォローをしてくれていますから。映美(くらら)さんは元宝塚(歌劇団)の娘役のトップですが、そこは妻も一緒なので、映美さんと共演していると妻と共通する雰囲気を感じるときがあるんですよ。だからすごくやりやすいですね。それに映美さんはとてもしっかりしていて、『さすがに宝塚で鍛えられた人だな』と思うときもあります。僕は“雑草”みたいなものなので、全然違いますね(笑)」

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