テイオーの長い休日

NEWS

トピックス

テイオーの長い休日

TOPICS

白石隼也インタビュー

リアル業界ドラマ「テイオーの長い休日」にタブーなし!?
人気俳優役・白石隼也「芸能界のリアルを見せたい」

船越英一郎が、“元・2時間ドラマの帝王・熱護大五郎” を演じる、土ドラ『テイオーの長い休日』(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)。2サスで得た知識と、「実は人情に厚い性格」の熱護が周囲の人間の問題を解決していくヒューマンコメディだが、ドラマ業界のリアルな裏事情にも切り込んでおり、タブーのないリアル業界モノとしての評価も高まってきている。

先週土曜に放送された第5話では、昨今話題になることが多い“俳優の事務所移籍問題”を取り上げた。とかくトラブルめいたことが取りざたされること多いが、ドラマでは「移籍」の「善悪」については不問。
あくまで本人にとって何が大事かを問うストーリーで、挑戦することに及び腰だった熱護の付き人・萩原匠(今井悠貴)を挑発し、あえて送り出した熱護。SNSでは「さすがテイオー、懐が深い」「熱護裁きの爽快感と納得感がよかった」「泣きポイントは、仕事は人で選びなさいというお母さんの言葉と、匠に一本取られた熱護の笑顔」といったコメントが寄せられた。

匠の移籍話に大きく関わったのが、駆け出し時代からの親友であり、トレランス看板俳優である伊集院大樹。「これから伊集院さんの出番が増えるみたいで嬉しい」「熱護船越さんとの対面シーン、若い情熱とベテランの深みがバチバチして、目が離せなかった」と沢山の声援が寄せられた。
伊集院を演じる白石隼也に、「俳優が俳優を演じること」の機微と、今作の楽しみ方について聞いた。

伊集院大樹(いじゅういんだいき/32)役 白石隼也インタビュー

――大手事務所の看板俳優を演じるにあたり、どのような役作りを?

「伊集院は俳優なんですが、僕も“たまたま”俳優をやっていまして(笑)とても身近な人物だなとは思っているんですが、国民の誰もが知っている、というレベルの人気俳優・伊集院と比べると、僕はそこまでではないので、最初は『どうしようか…』と考えました。

テイオーの長い休日

幸いなことに、スターと呼ばれるポジションの方々とお仕事を一緒にさせてもらう機会が少なからずあり、そういった皆さんが背負っているものとか、現場での “存在のあり方”とか、“喋り方”とかを見聞きすることがあるので、そこから学習させてもらうことにしました。
自分のパブリックイメージみたいなものを守られている方もいらっしゃいましたし、逆に、かなりイメージギャップがある方もいらっしゃいましたし(笑)。“お手本”になる方が、たくさん身近にいたので、皆さんのエッセンスを少しずつ吸収させていただいて、伊集院を演じています」

船越さんには感謝の思い出しかありません

――そうした「スター」のお一人として、船越さんがいらっしゃるんですよね。

「船越さんが主演をされた『ホンボシ〜心理特捜事件簿〜』というドラマがありまして。船越さんが刑事役で、僕が鑑識係の役だったんです。19歳くらい、たしか仮面ライダーに出演し始めるちょっと前の、ほんとに駆け出しの頃です。京都ロケだったんですが、船越さんにご飯に連れて行って頂いたり、かなりご一緒させていただいていたんです。

テイオーの長い休日

船越さんは、僕のことをすごく励ましてくれましてね。
当時、すごく生意気な若造だったと思うんですけど、ネガティブな“お叱り”みたいなことは一切言われたことがなくて。
僕が演技のことなどで自信を失った時にも「いやぁ、お前は、もっとできるぞ」とずっと言葉をかけてくださったりしてたんですね。とにかくポジティブに勇気づけてくれるというか、背中を押してくれるというか。

演技についても、『あそこの俳優さんのこういう動きを見て、こんな感じでやっていけばいいんだよ』とかアドバイスをくださったり。本当にお世話になったんです。
『テイオー』の前半では、伊集院は“トレランス側の人間”として、オリプロの熱護である船越さんとご一緒するシーンは少なめだったのですが、5話以降からは、熱護さんときっちり絡むシーンが多くなりました。
そこでまた、船越さんの、撮影現場における存在感とか、船越さんがいらっしゃるだけで現場の空気がぴしっとしていく感じを体験できたのが、とてもうれしかったですね!」

テイオーの長い休日

伊集院と匠の関係は、白石のリアルな役者人生にも!

――伊集院が、駆け出しの時からの親友で俳優の匠。

「まさに、そういうことがあったんです。5話の中で、伊集院が、匠に初めて尊敬の念をいだくようになったエピソードがありました。2人ともまだお互い売れていない時代、“その他大勢”の端っこで演技しているような時、伊集院は、どうせ映んないだろうと、手を抜いて流してやっていたけど、匠は、一生懸命に準備をしていた、という逸話でした。

テイオーの長い休日

僕自身、かなり若い時に、学園モノで、メインキャラクターでもなんでもなくて、その他大勢の生徒の一人として出ていて、“その他大勢の一人”のなかに、仲良くしていた男性がいたんです。みんなで“何かに向かって叫ぶ”みたいなシーンがあって、いっしょに出番だったんですね。そこで、僕はもうテキトーにやっていたんですけど、その子は、ほんとに一生懸命に『俺はここに居る~!!』と叫んでいて…カメラに映っているかどうかもわからないシーンでね。それを聞いて、『あ、こいつの覚悟はすごいな』と感じたんですよ。
5話で伊集院が語っていた、かつての匠とまったく同じです。今回の台本を見て、僕はその友人のことをリアルに思い出しちゃいました」

影の部分を含めて、芸能界のリアル切り取って見せていきたい

――6話に向けて、ドラマの見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。

「初回から伏線となっていた『なぜ、ゆかりさんがトレランスを辞めたのか』とか、『ゆかりと伊集院の微妙な関係』とか『寿との確執』みたいなものが明かされるのが、5話・6話となります。ひとつのエピソードの前編・後編みたいな感じですが、シリーズの中でも大きな盛り上がりのポイントだと思います。

テイオーの長い休日

僕は、このお話自体が、芸能界とゆかりさんの家庭のことを物語っていくものだと考えています。それは、とても普遍的なテーマを扱ったものだとも思えるんですね。世の中の少なからぬ人が、“会社組織での仕事”と“家族”という2つのコミュニティーを行き来している…。この作品は、そこでのしがらみとか、仕事のやりがいや、家族の在り方などに関わりながら、前向きに生きていく人生の捉え方を描いていると思います。

テイオーの長い休日

とくに6話は、登場人物みんなの思いがぶつかる展開になっているので、すごく見どころが多いんです。伊集院について言えば、彼は華やかな芸能界で人気の俳優ということで、ものすごくキラキラしていて、すごくうらやましがれる、憧れの的ともいえる存在なんでしょう。
だけど、僕・白石隼也としては、俳優の先輩方とか、売れている人たちを見ていて感じるのは、その実態はキラキラした世界なんかではまったくなくて、いろいろな責任や、プレッシャーとか、周りからの目だったり、いろいろなものに縛られて生きている。そういった“影の部分”というのは間違いなくあって、みんな、一人の人間として葛藤しながら生きている…。だからこそ、魅力的に見える人が多いのではないか、と。

テイオーの長い休日

今回のこの『テイオー』の脚本で、そこまで直接的に描かれているかどうかは、視聴者の方のご判断にお任せしますが、僕自身が俳優をやっている上で、俳優・伊集院の役をやるのであれば、そういった“リアルなディティール”は詰めていきたいと思っています。ドラマ用に脚色されたウソの芸能界ではなくて、芸能界の“リアル”を切り取って見せていきたい。それが、きっと、お話を面白くさせていくことにもなるとも信じています。
物語自体は、楽しんでいただくためのコメディなんで、ドロドロしたリアリティをお見せすることが目的ではないんですが、楽しんでいただくための一要素としての『業界のキズや影の部分』は、しっかりと演じていきたいと思ってやっていますので、そこのところを、ぜひお見逃しなく!」