テイオーの長い休日

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テイオーの長い休日

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大和田伸也インタビュー

船越主演ドラマ、ナレーションの大和田伸也がラスボスとして出演!!
「コロナ禍で考えた俳優の“休日”のこと」

リアル2サスの帝王・船越英一郎が元2時間ドラマの帝王・熱護大五郎を演じる土ドラ『テイオーの長い休日』(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)。熱護がかつて2サスで演じた役になり切り、周囲の人の悩みを解決していくヒューマンドラマだ。先週放送の第7話では、「熱護が、落ちぶれた熱護自身を演じる」という奥の手で社会をほんろう、SNS時代の危うさに警鐘を鳴らした。

そんな『テイオーの長い休日』も残りあと一話。先週放送の最後に、物語自体のラスボスとなる熱護の因縁のライバルで大御所俳優の桐林藤吾が登場!初回から名前は出ていて、熱護がいかに彼を毛嫌いしていたか幾度となくストーリ―の中で描かれてきたが、その正体はなんと、ずっとこのドラマでナレーションを担当してきた大和田伸也、その人であったことが判明した。

ナレーションという天の声で熱護の物語を見続け、ひとりの役者としてドラマ界のことも見続けてきた業界の重鎮・大和田伸也に『テイオーの長い休日』の魅力と、最終回の見どころ、2サス復活も含めた業界の未来について深く語ってもらった。

船越さんと一緒に芝居できるのはいつもうれしい――

――『テイオー』シリーズの最終局面で、まさかのサプライズ出演という形になりました

「まず、この作品は、とにかく企画が面白いし、毎回、話の最初と最後のところで、『これこれ、こういう熱護であった』、『さてさて、どうなることやら』などと、ナレーションしていくのはとても楽しいので、非常に興味をもってやらせてもらっていました。僕は、ナレーションの仕事をするのは大好きなんです(笑)。
なんとなく、このナレーターは、ただ舞台の裏でナレーションを読み上げるだけの人ではなく、“なにか、劇中で関わりが出てくる人なのかもしれない” ということは当初から予感していました。
そして、具体的に仕事をお引き受けして、詳しくお話を伺ったら、そういうこと(ラスボスの桐林役として出演)だった次第で…(笑)。

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船越さんとは長い付き合いですし、昔から役者として敬愛していました。船越さんと一緒に仕事できるのはいつもうれしく思います。お互いに長い間この世界に居ますから、『わかりあえるところ』が多いんですね。自分たちの芝居が今はこうだけど、以前はこうだった、とか。役者はこうあるべき、という点が似ていたりとか。今回ドラマの中で演じる桐林と熱護の間も同じだと思います。『わかりあえるところ』、つまり共通認識でしょうか。そのへんのところが、リアルな僕たちと、役の上の二人とで重なっていると思います。その意味でも、今回、桐林役ができるのは、すごくわくわくしています」

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単発の2時間ドラマはいろいろな役ができる。それが役者にとって楽しみだった――

――制作発表の際に、船越さんが「2時間ドラマ」“愛”を深く語っていました。大和田さんはどのように感じられていますか。

「2時間ドラマについては、僕はどちらかというと、いわゆるサスペンス物が多くなる前の、『嫁姑モノ』に多く出ていました。私が扮する男のお母さんと嫁との争い、みたいなことが中心となったジャンルですね。そうした作品の中では、お母さん役として当時のベテラン女優さんだった山岡久乃さんや、ミヤコ蝶々さん、藤間紫さんとか、そういった方々がお母さん役として出演されて、お嫁さん役もいろいろな方がいらっしゃって、僕もずいぶん勉強させてもらいました。

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それが時代の流れでだんだん少なくなってきて、サスペンス物と呼ばれるドラマが多くなってきて、そこで船越さんが非常に大活躍をされたわけですね。僕もご一緒したことありますけど、やはり“帝王”と呼ばれるようになるほどの活躍をされていました。ある意味では、船越さんという存在が2時間ドラマの形を作ってきた、とさえ言えると思います。“崖”というモチーフも含めましてね(笑)。それが無くなったことは、僕も寂しくは思います。…やはり時代の流れですね。
テレビ局のドラマの作り方は、連続モノか、単発の2時間モノか、どちらかだったんですが、この『2時間ドラマ』という枠は、役者としていろんな役が演じられるところが大きな特徴なんです。連続モノだと、同じひとつの設定のなかで、その役をずっと半年くらい…長い時は一年以上ずっと続けてやることになりますが、単発2時間ドラマだと、それぞれの回で違った役を演じることができる。これは僕ら役者にとって、楽しみなことでした」

その2時間ドラマ枠が、この『テイオー』をきっかけとして復活したりすると、大和田さんとして、また楽しみが増えることにもなりますか。

「今は、人々の生活サイクルも変わってきて、テレビ局もそれを考えた編成を組むようになってきました。そもそも2時間の枠が無くなったのも、その流れのひとつともいえますけどね。一方、3時間とか4時間の長尺ドラマも無きにしもあらずですし、逆に1本15分とか5分とかのショート枠で見せる連続ドラマもある。自分の家でそういうショートドラマも見ていますが、それはそれでかなり面白く感じました。ただ、もうちょっとしっかり見るには、2時間かな、と個人的には思います。2時間くらいに戻るのは、ちょうどいいかな、という気持ちですね。 “2時間”はまた見直されるかもしれませんよ。

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この2サスの帝王のドラマを見て、大勢の視聴者さんが望んでくれたら、テレビ局が2時間枠を復活させる可能性は、否定できません(笑)。そうしたら、僕は、またその中でいろいろな役を演じられますから、それは楽しみですね!僕は、かつては嫁と姑の間に入る婿様という役が多かったですけど、今、僕はこの年齢になったので、おじいさんの役もやってみたいです。実は、孫のいるおじいさんという役はあまりやったことがなかったので挑戦したいですね!」

桐林の設定には、僕自身のリアルな思いも重なっているんです

――桐林は、おじいさんといった役どころなどではなく、渡米して演技のキャリアを積んでくるバリバリの現役俳優、という設定でした。

「7話の最後の最後で、桐林が成田空港に戻ってきました。僕、自分で、そのことをナレーションで解説したりしていましたけど(笑)。彼が、日本の連ドラの話をドタキャンしてまで、アメリカに飛んでいったという設定には、実は、僕自身、すごく共感できるところがあるんです。海外に出ていって、グローバルな舞台で活躍するということは、僕もすごく惹かれます。
実は、少し前にある海外作品に出てください、というお話があったんです。全18話くらいの作品で一年間くらいカナダに滞在して作り上げるという内容でした。すごく惹かれたんですが、ただタイミングの悪いことに、コロナ禍の真っ最中で…。日本に帰ってこられない懸念があるし、もろもろのことを考えてあわせて、そのお話自体はお断りをさせていただいたんですが、この『テイオー』で桐林がアメリカにいって勉強して帰ってくるという設定にはすごく共感しました。そういう意味で、今回の脚本には、俳優・大和田伸也のリアルな気持ちも大いに映し出されています。実際、僕は中国映画には何回か出ていますし、俳優が海外へ活躍の場を広げる気持ちや設定はとてもあり得ることだと思います」

コロナ禍で考えた俳優の“休日”のこと

「コロナに関係することで、この『テイオー』というドラマの別の側面が見えてくるようにも思えました。実は、このコロナ禍で業界全体の仕事が減っちゃった、ということがあったわけです。大御所にしても、若い人も、みんな仕事が激減。感染が本当にひどい時には、舞台での芝居も全滅のような状態でしたし…。仕事が無い間、俳優たちはみんな何をしているんだろう、と、そういう興味に対する答えみたいなものも、このドラマに映し出されているような気がします。ドラマでは熱護が長い休日を過ごしている、という状況ですが、そういう視点をもって、俳優という人種の内情を垣間見るという見方、楽しみ方もできるように思います。

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役者たちも、それぞれ、このコロナの期間にいろいろなことを工夫してきたんですよ。熱護さんみたいな、お金持ちな人も、仕事がない期間にはあたふたすることもあるだろうし…。それ以上に、もっとシビアに実際の生活面であたふたされたような俳優さんも少なくなかったと思います。
僕の場合は、その間に “ゲーム” をやっていたんです。ポケモンやスプラトゥーンなど、今まで触ったこともなかったんですけど、このタイミングでそういうことに目覚めまして(笑)。そういうゲームをやっているところを実況的にYouTubeで配信したら、これがけっこう反響をいただけまして。『大和田伸也の隠れ家』って名付けているんですけど、再生回数70万超えの動画とか、約3万人の方にチャンネル登録いただいて…。70歳も過ぎた年齢で、ゲームの番組にも呼ばれて出たりしました。この期間に、俳優業とはまったく違う面白さというものに出会えてしまったんですね。これは、このコロナがなければ、まずやらなかったことです。“まず”というか100%やらなかった。これは、貴重な体験でした。

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ここからが大事なんですが、自分は役者ですが、役者のことだけであくせくやって生きるだけではないな、ということに改めて気づかされたんですね。熱護もきっと、それまではテイオーとして毎日忙しく生きていたと思います。でも、仕事がなくなって、フッと時間が空いたときに、吉田ゆかり(戸田菜穂)さんをはじめとする家族…本当の家族ではないですけど、“ファミリー”というものに出会うことになるわけですよね。熱護さん、ヒマにならなかったら、そうした人生は送っていなかったはずです。もっと、つまらない人生だったかもしれない(笑)。でも、実際には、いろいろな人と関わることになった。そういう見方も面白いかもしれないです。熱護は『変われない男』、『自分の矜持を守り続ける男』という設定になっていますが、僕から見ると、彼は、この長い休日の中で “変わって” いるんです」

このドラマは変えるべきこともテーマになっている

―――“休日”は必ずしも悪い事ばかりではなく、次の変化のためのステップでもある?

「そうなんですよね。僕の場合は、それがゲームに触れるきっかけになった。そこで新しい世界を知ることができた。かつては、子供向けのアニメのお仕事とかお断りしていた時期もあったんですが、今はもう、いろいろなことをやってみるようになりました。この『テイオー』では、“変わらない強さ” みたいなことをメッセージの核にしていると思いますが、僕は、変わらないもの=変えるべきでないものと、変えていくものは、それぞれにあるのではないかと感じています。

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僕にとっての “変わらないもの” は、人との関わり。人が人と関わるということは、僕が舞台の演出をするときも、テーマは必ずそこに置いています。若い時も、年齢を重ねた時も、人と人のつながりを大切にしていくこと。それが、“変わらないもの”ですね。
“変わるもの”は、今まで付き合ってきたのとは違う、新しい世界にも目を向けて、受け入れていくこと。僕にとってのゲームもそうだったし、子供向けアニメの仕事もそうでした。もうかなり前から、『ライオンキング』の主人公シンバの父、ムファサをやるようになりまして…実写版もやったんですが、出先で出会う子供たちがもう「大和田伸也」とは呼ばずに、「ムファサ」って呼んで寄ってくるんです。
かつては『水戸黄門』の格さんをやっていましたから、大人の方からは、格さん、格さんと呼ばれたり、“印籠 出してくれ”とか言われていたんですけど、子供たちは、あ、ムファサだ!と言って…。で、僕が『…思い出せ…父の言葉を…』とかムファサの声色で言うと、みんな喜ぶわけです(笑)。そういうのが、 “変わるもの”だと思います。今までは、あまり気に留めてなかったことを感じられるようになること。それが、変わる、ということではないか。“変わらないもの”と“変わるもの”、そんな、隠れテーマみたいなものを思い浮かべながら、このドラマを見てもらうのも、面白いと思います」

最終回は、熱護の“素”の見え方も楽しみに

「余談ながら、ゲームをやっているところなどは、僕は、“素”をさらけ出してやっているわけです。役者・大和田伸也が。このドラマも、役者・熱護大五郎が素をさらけ出しています。とくに今度の最終回では、そこのところがもろにさらけ出されてくる。視聴者のみなさんは、普段は役者さんの“素顔”はあまり見ていないと思います。バラエティに出ているときの俳優さんは、ご覧になっているかもしれませんけど(笑)。 7話のなかで、熱護はゆかりさんにズバリ言われていましたが、素の自分を出すのが心底苦手な男です。その熱護が、ふっとした表紙に“素”を見せてしまう。ドラマの中での演技ではありますけど、役者の中の役者ともいえる人間の素の部分を見てください!という点も、8話の大きな見どころになります。当然のことながら、船越さんも実にいい、味わい深い“熱護の素”を演じてくれています。ぜひとも、お見逃しなく!」

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