三重県紀北町の紀伊長島漁港で野生のクマが波消しブロックに挟まるという前代未聞の出来事がありました。いったいなぜなのか、救出までの一部始終をカメラがとらえました。

 物々しく漁港に集まったパトカー…。普段は静かな港町に集まったのは、たくさんの警察官や猟友会のメンバーです。そのワケは、波消しブロックに挟まり身動きがとれなくったクマ。場所は三重県紀北町の紀伊長島漁港です。

 クマが挟まっていたのは、防波堤の下に積み上げられたブロックととブロックの隙間。8日午後4時ごろ、近くの住民から警察に通報がありました。

紀北町猟友会 岡本さん:
「落ちたんやと思うんやけど、それで人間が来てワーワーしとるで、(クマは)臆病やでわりかし。6時くらいにはもう確認ができました。それから8時くらいまでずっとなかなか動かなくて、その場でずっと待機」

 用意されたのは、捕獲したクマを入れるためのの檻や、捕獲用の網。

三重県の担当者:
「そんなにたくさんあるわけではないですけど、目撃情報はこの地域では多い方ではございます。麻酔注射で捕獲をするという手段です」

 しかし、野生のクマがなぜ港のブロックに…。クマの生態に詳しい動物園の職員に聞きました。

大内山動物園の担当者:
「冬眠に入る前のクマが食べ物を求めて市街地まで下りてきて、偶然波消しブロックのところに落ちて挟まってしまったというのが、考えられるんじゃないかなと思います」

 クマが見つかった漁港は、JR紀勢線・紀伊長島駅からおよそ350mほど離れた場所にある漁港。近くには住宅街も広がっています。しかし…。

(リポート)
「クマは対岸にある波消しブロックの辺りで見つかりました。その上を見てみますと、海に面してはいますが、木々が生い茂っています」

 海に面するように佇む小高い山。この山はずっと北まで続いていて、クマはこの山を伝ってきてエサを探している途中に転落したとみられています。

 波消しブロックに挟まったクマの救出作業がいよいよ始まりました。兵庫県から駆けつけた獣医らが、手すりを乗り越えクマのいる場所へ…。

 救出開始からおよそ1時間…麻酔銃で眠らされたクマはシートにくるまれ引き上げられます。目隠しをされてぐたりと横たわるクマ。全長1メートル20センチほど、体重は35キロ、やせ細った状態でした。

捕獲に参加した獣医:
「ケガはまだ分からないですけど、かなり痩せています。うまく餌をとれずに、そのままさまよって来て、人里の方まで下りてきたという形がありますね」

 紀北町ではいったんクマを保護し、体調が回復しだい町有林に帰すことにしてます。

※画像は三重県提供