開催も危ぶまれている東京オリンピックですが、新型コロナウイルスは「聖火リレー」にも影を落としています。

 大会組織委員会は、沿道での応援の自粛を要請、観客が密集しないよう求めています。東海地方の聖火ランナーたちが抱く思いとは…。

 車いすで手作りのトーチを持ち、聖火リレーの練習をする女性。岐阜のご当地タレント・塚本明里さん(30)です。

 4月4日、岐阜県八百津町でランナーを務めます。体中に激痛が走る線維筋痛症など、原因不明の複数の難病を抱える明里さん。週に2回、麻酔を全身の40か所に打ち痛みを和らげています。

 難病を抱えながらもタレントとして活躍し、地元の著名人として聖火ランナーに選ばれましたが…。

塚本さん:
「悲しいは悲しいですよね。みんなの思いが詰まったトーチ、そして聖火だと思うので…」

大会組織委員会 武藤敏郎事務総長(3月17日):
「体調が悪い方は、沿道での応援をご遠慮いただきますようにお願いしたい。また沿道で応援をされる際には、密集状態を避けるように…」

 大会組織委員会は17日、沿道での応援の自粛を要請。4月1日までのリレーが対象ですが、1日以降に行われる東海地方のリレーでも同じような対応が求められる可能性があります。

 リレー開始を目前に控えての自粛要請。東海地方の聖火ランナーからも不安の声が…。

県立岐阜商業高校 田中さん:
「応援があると、自分も頑張れるような気がするんで、それがなくなってしまうと少し悲しいかなって思います」

 4月5日に岐阜市内を走る県立岐阜商業高校の田中さん(17)。田中さんには、応援にかける特別な思いがありました。

田中さん:
「走るということで形は違うのですが、『応援部』として誰かを応援する気持ちを持って走ることが大事だと思います」

 全国的に珍しい女子だけの応援団として有名な県岐商の応援部。田中さんはその「団長」です。夢は甲子園のアルプススタンドでの応援でしたが、県岐商野球部が出場を決めていたセンバツ大会も新型コロナウイルスの影響で中止に…。

 聖火リレーでは、沿道から応援部の部員が田中さんにエールを送る計画をしていますが、その応援もなくなってしまうかもしれません。

田中さん:
「(家族や友達と話して)「本当は直接見たい」というのも感じました。周りで見てくださる人は少なくなると思うのですが、自分が走ることで誰かを元気づけられたりできるようにしたいなと思います」

 一方、三重県志摩市の和具漁港。

海女の三橋さん:
「なんかドキドキですね。だんだん、近づいてくるたびに緊張しますね」

 三橋さん(71)は、現役の海女さん。この道38年のベテランで、海女文化を世界に発信したいと聖火ランナーに応募。見事選ばれました。

 この日は風が強かったため漁には出られず。そんな日に向かうのは『卓球』。リレーまで3週間…卓球で体力づくりです。トレーニングには孫の凛太朗君も協力。祖母の大舞台に期待をしていました。

凛太朗くん:
「おばあちゃんが聖火ランナーだと、誇りに思える。(Q.当日は応援に?)行きたい」

三橋さん:
「せめて子供、孫たちには見てほしいですね」

 岐阜の聖火ランナーで難病を抱える塚本明里さん。

 数分しか自力で立つことは難しいですが、聖火リレーではある挑戦をすると心に決めていました。

塚本明里さん:
「私は車いすに乗っているけれども、立てる・歩けるっていうのが自分。なので、それを隠すことなく皆さんにこういう病気や障害の人もいるんだよということを伝えたいので…。できるだけ、自分の足で走ることを目指して準備していきたいです。町の人から声かけてもらえたりとか、応援があると元気が出て頑張れる部分があるじゃないですか。応援がなくても顔が見られるだけでも元気が出たりするので、そういうのがあったら嬉しいですね」

 東海3県では4月4日から9日にかけてランナーが走り、聖火をつなぐ予定です。

 3県の沿道の応援についてどのような対応になるかはまだ決まっていませんが、自粛などの対策が行われる可能性があります。