都道府県をまたぐ移動の自粛要請が全国的に解除となり、大きな打撃を受けた「観光業」も再生へと動き始めています。そんな中、旅館の「おもてなし」にもある変化が起きています。

 愛知県幸田町の旅館「天の丸」。県をまたいだ移動の自粛要請の全面解除を受けて、県内外から待ちわびた客が次々とやって来ています。

この旅館のセールスポイントは三河地方の地魚や旬の食材を使った会席料理。それに三河湾の大パノラマを一望できる展望露天風呂は、蒲郡の天然温泉。昼と夜で表情が変わるのも見どころのひとつです。

満点の星空を眺める天体観測のイベントも人気だといいます。

従業員:
「いま私どもコロナウイルスへの対策といたしまして、お部屋にお布団を敷きにあがるということを行っておりませんので…」

 これまでは客とコミュニケーションを密に取り、手厚くもてなすことが良しとされていた旅館業界。しかし、新しい生活様式の中でのおもてなしに、旅館側は対策を求められています。

この旅館ではこれまで部屋で食事をするサービスはありませんでしたが、接触をなるべく避けるため「お重膳」を提供する3密対策のプランを用意。

食事用と就寝用の2部屋に分け、布団は事前にスタッフが用意するため、宿泊客とほとんど接触することはありません。1部屋分の料金で2つの部屋を贅沢に使っていて、安心と満足感を得られると好評です。

宿泊客:
「コロナが出ちゃいかんから、そういうの(対策)がちゃんとされているなと思って、それはいいねと思った。『そこまでやってるんだ』ってね。安心、やっぱり」

静岡からの客:
「浜松市から来ました。彼女の誕生日なので、せっかくですし。第2波とかもそんなになく、みんなどんどん旅行できるようになればありがたいですけど」

レストランで食事をするプランでも、席はすべて横並びという徹底ぶりです。

この旅館では、客が求めているものを考えて、それに応えるのが「おもてなし」としています。

天の丸の兵頭さん:
「今のお越しいただくお客様が求めているものは、『密にならない』『3密を回避する』というところかなと思います。近場のお客様であっても遠方のお客様であっても、そういうものが今のおもてなしの形なんじゃないかなと考えさせています」