知事に店名公表「直談判」する飲食店店員も…市長は突如「感染無関係」でも対策しない店公表の方針
新型コロナウイルスの29日の感染者数は、愛知が167人、岐阜が30人、三重が10人で、3県いずれも過去最多を更新しました。
30日も、これまでのところ愛知が153人以上、岐阜が5人、三重で1人の感染が確認されています。このうち愛知県の名古屋市は、ついに感染者が108人となり、初めて100人を超えました。29日は93人で、陽性率は46.0%でした。
名古屋市では、繁華街を中心に感染が急拡大していますが、河村市長は、は感染防止策を講じない店舗の店名を公表する方針を示しました。
29日、オレンジ色にライトアップされた名古屋のシンボル・テレビ塔とオアシス21。新型コロナウイルスの感染の急拡大により、愛知県の警戒基準が1段階引き上げられ「厳重警戒」へ。その変化を街の人も敏感に感じ取っていました。
街の人:
「ウイルスを警告しているみたいな」
別の街の人:
「危険の信号なんですよね」
また別の街の人:
「ずっと黄色でやっていたでしょ、今日も黄色かなと思って来たんですけど、今日からオレンジになったの?」
新たなステージに入った新型コロナの感染拡大。その中心となっているのが、3つの飲食店でクラスターが発生するなどしている名古屋の繁華街です。
28日、名古屋の繁華街「錦三」で感染予防を呼びかけた大村知事。その際、こんな光景が…。
居酒屋の店員:
「風評被害というのを本当に感じているんです。きちんと感染というのがどこ(の店)で起こっているのか、大村知事の方からもご提示いただければ、もっといい議論ができて、みんな本当の生活を取り戻せるんじゃないかなと思うんです」
居酒屋で働く男性が大村知事に訴えたのは、感染が出た店名の公表などについて。繁華街全体が危険とされてしまう「風評被害」に苦しんでいました。
これまで、感染が出た店名の公表には慎重だった愛知県と名古屋市。河村市長も27日の会見で…。
河村名古屋市長(7月27日):
「むやみやたらに全部公開してしまうという方法はとっておりません」
しかし急拡大は止まらず、29日の感染者は100人に迫る93人に…。
名古屋市健康福祉局の担当者:
「爆発的に増えていると言っていいくらいの勢いで、今広まっているという認識です。また明日以降にさらに増える可能性を非常に危惧しています」
実際に30日の感染者はついに3ケタの108人に。「厳重警戒」となった名古屋の人は…。
店名公表に賛成の市民:
「もちろんプライバシーとかあるんでしょうけれども、感染拡大を防ぐという意味では、そういう情報は重要じゃないかなとは思うんですけどもね」
賛成の別の市民:
「(飲食店を)やっている人にとってはマイナスなところもあるかもしれないですけど、自分が感染したかもしれないというリスクを知るにはいいのかもしれないです」
店名公表に反対の市民:
「気の毒ですよね。公表しない方がいい」
多くの人が「店名の公表」を求める中、河村市長が打ち出したのが…。
河村名古屋市長(7月29日):
「一定のルールがありますから、それが守られていない場合は、今まで名古屋はそういうことはデリケートにやりまして、商売の方をものすごい大事にしてきましたけど、(感染対策をしていない)店名を公表するということで進めていきたいと。盛り場はね」
市は、感染者が出ている出ていないに関わらず、感染対策をしない店の名前を公表する方向にかじを切ったのです。ただ、あくまで店側に感染対策を促すことを狙ったもので、その店で感染者やクラスターが発生したことを示すものではありません。
河村市長は店に対し、丁寧な対応をとりたいとしていますが、感染拡大に歯止めをかけるきっかけになるのでしょうか。