「あいちトリエンナーレ2019」の企画展を巡る混乱で損害を生じさせたとして、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが愛知県の大村知事に対し、芸術監督だった津田大介氏らにおよそ1170万円の損害賠償を請求するよう求める住民訴訟を起こしました。

 訴えを起こしたのは、高須院長のほか、名古屋市の河村たかし市長が代表を務める減税日本の市議3人で、訴状は10月2日付です。

 訴状によりますと、高須院長らは、多くの日本人の心を傷つける作品を展示したことで国の補助金が減額になったとして、大村知事に対し津田氏におよそ1170万円の損害賠償を請求するよう求めています。

 原告の市議の1人は、「7月にこの件で住民監査請求をしたが、9月に却下されたので提訴した」と話しています。

 訴えの元となった「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」は、慰安婦問題を象徴する作品などを巡り、混乱が生じていました。

 このほか高須院長らは、独断の再開で警備費などおよそ1860万円の過剰な費用負担を生じさせたとして、県に対し、大村知事に損害賠償を請求するようにも求めています。