愛知県の大村知事へのリコール運動を巡り、アルバイトが署名を偽造した事件で、新たな展開です。リコール団体で幹部を務める常滑市議が、警察から任意で事情聴取を受けていたことが明らかになりました。

 市議は取材に対し、聴取を受けたことを認めたうえで「今は一切話せない」と明言を避けました。

山田常滑市議(2日午前11時ごろ):
「報道陣の皆さまに対しては丁寧にご説明してきましたけど。警察にもしっかりと協力していますので、そういう段階ですので、一切しゃべることを控えさせていただきます。そういう立場です」

 2日、常滑市役所で報道陣に囲まれるのは、リコール団体の幹部で常滑市議の山田豪議員。2月27日に警察から任意で事情聴取を受けたことを明らかにしました。

Q.警察からの任意聴取を受けたのか?

山田常滑市議:
「(警察で)お話ししています。土曜日(2月27日)に協力しました。(Q.警察からはどういった内容で?)それも言えないです」

 大村知事へのリコール運動を巡っては、県の選挙管理委員会の調査で、提出された署名のうち8割以上に無効の疑いがあるとされ、リコール団体の関係者が名古屋の広告関連会社に、アルバイトを集め署名を偽造するよう発注したとみられています。

 発注書の日付は、署名集めの期限の直前となる去年10月19日で、発注額はおよそ470万円。リコール団体の別の幹部のものとみられる署名と捺印もあったとみられています。

 警察は地方自治法違反の疑いで捜査を進めていて、これまでに選管に提出された全ての署名簿を押収しています。

 山田市議は、リコール運動で街頭演説をするなど中心的な役割を担っていて、これまでの取材に対し「署名の偽造には身に覚えがない」と関与を否定していました。

 そして2日朝、報道陣の取材に応じた山田市議。警察から任意の事情聴取を受けたことを認めたうえで…。

Q.署名偽造に関与があったか、なかったかは?

山田常滑市議:
「それも含めて全部…、今の段階ではお話ししませんが、時がきましたら、しっかりとお話しさせていただきます」

 不正への関与について明言を避けました。

 警察は今後も関係者から事情聴取を重ね、事件の全容を解明する方針です。