今年の東海地方は記録的な早さで梅雨入りしたこともあり、ぐずついた天気が長く続いています。梅雨時には頭痛など体調不良を感じる人がいますが、それは「天気痛」と呼ばれるものかもしれません。専門家に詳しく聞きました。

 長く続く今年の梅雨。街で聞いてみると、この時期、体調が崩れるという人は少なくありません。

Q.体調不良になることはありますか?

20代女性:
「ありますあります。結構雨の前の日とか頭痛になったりします」

10代女性:
「雨降る前に頭痛いなって思うことはあります」

60代男性:
「僕はね、腰。天気が悪くなるのが分かる。腰で分かる」

 多くの人があげたのが頭などの痛み。実はこういった症状、「天気痛」の可能性があると専門家はいいます。

愛知医科大学の佐藤客員教授:
「天気痛というのはそもそも、天気の変化によって痛みが強くなるものを言うんですけれども、(梅雨時は)天気が少し良い時と天気が崩れる時が交互にやってきますので、気圧の変動に弱いのが天気痛の特徴ですので、それによって起こってくる」

 気圧の変化などで体調不良に見舞われる「天気痛」。愛知県長久手市の愛知医科大学病院にある専門外来で診療にあたる佐藤医師によると、患者の年齢は10代から80代までと幅広く、痛み以外にも、めまいや耳鳴り、精神的な不調を訴えるケースもあると言います。

 さらに「天気痛を持っている」「持っている気がする」と答えた人は、男性の場合およそ半数だったのに対し、女性はおよそ8割と女性に多いのも特徴です。

佐藤客員教授:
「(女性が多い理由は)1つは女性に頭痛が多いということだと思っています。気圧が下がると痛みが発生するという考え方よりは、そもそも持っているその人の頭痛だったり、めまいだったり、それが気圧の影響や湿度・温度の影響によって表面化する」

 研究によると、低気圧の接近などにより気圧が変化することで、気圧を感じ取る「内耳」が反応。それを脳が敏感に捉えてしまうことにより、自律神経のバランスが乱れ、頭痛などの症状を引き起こすとみられています。

 そこで、佐藤医師がおすすめするのは天気痛を和らげる「くるくる耳マッサージ」です。

1.親指と人差し指で両耳を持ち、上・下・横にそれぞれ5秒ずつ引っ張る

2.耳を軽く横に引っ張りながら、後ろにゆっくりと5回まわす

3.耳をたたむように折り曲げ、5秒間キープ

4.手のひらで両耳を覆い、後ろにゆっくりと5回まわす

 天気痛にお悩みの方は、実践してみてはいかがでしょうか。