ワールドカップがついに愛知県の豊田スタジアムに!

 初戦は、ウェールズ対ジョージア。この試合が始まるおよそ6時間前…。

(リポート)
「試合までまだ6時間近くあるのですが、こちらのスポーツバーの前にはウェールズから来た人々がすでに溢れています」

 23日、豊田市駅前にあるスポーツバー「ブービーズ」には昼過ぎからウェールズ代表の真っ赤なジャージを着た外国人がいっぱい。はるばるウェールズから来たサポーターたちです。

ウェールズから来たサポーター:
「俺たちビール好きだよ!」

別のサポーター:
「ビールは水分補給のためだよ」

 ビールをどんどん飲み進めますが、実は今回のワールドカップ、試合とは別にこのビールも注目されているんです。

 イングランドで開催された前回のワールドカップでは、会場でのビールの消費量が、サッカーの試合と比べなんと平均6倍。そのため、売れ切れないよう大会の組織委員会がわざわざ注意喚起までしたほどなんです。

店長:
「これでいま大体90樽くらいです。『ビールは切らせません、むしろ切らしてください』くらいの感じでやっています」

 ビール樽を確保するための倉庫をワールドカップのために借り、準備は万全とする店側。サポーターの飲みっぷりとの、もう一つの“試合”が始まりました。

メル・ジョーンズさん:
「試合前は多分3杯…いや5杯かな。もしウェールズが勝ったらもっとだね(笑)」

 そう話すのはこの試合のためにウェールズからきたメル・ジョーンズさん、53歳。

 飲み始めたのは午後1時ごろということですが…買って、飲んで、笑って、また買って…。ひたすらビールを飲み続けています。

 午後3時頃には、店の中も外もいっぱいに。老若男女問わず、みんなビールをおいしそうに飲みます。

 ビール片手に飲めや歌えや、試合前から大盛り上がり。しかも、よく見てみると…その輪の中心にはメルさんの姿が!美声を披露し周りを盛り上げますが、ちなみに職業はエンジニアです。ビール樽の入れ替えも加速してきました。

 そんなウェールズの人たちですが、飲んでばかりでもありません。駅前の”タグラグビー”の体験コーナーでは、日本人の子供と一緒にプレー。さらに、彼らの地元チームのジャージをその場でプレゼントする粋なはからいも。

子供:
「楽しかったです。(ジャージを)もらいました、嬉しいです」

父親:
「こういう国際交流みたいなのは初めてなので、(子供も)すごく楽しんでいたようです」

(リポート)
「メルさん、ここでまたビールを5杯追加で発注しました。キックオフまであと1時間というところです」

 ここまで、予定を大幅に超え10杯近くは飲んだというメルさん。実はこんな理由も…。

メルさん:
「他の国に来て、他の違う文化を楽しむことはとても素晴らしいよ。ワールドカップで、日本そして名古屋は、俺たちウェールズの人にとって特にすばらしいね。名古屋のビール、食べ物、そして人々を愛してるよ」

 ビールを介して全力で交流し満喫する、これも彼らの文化です。15リットルのビール樽を重そうに運ぶ店員を見ると…メルさん、すっと2つ持ち上げて手伝い、ジェントルマンとしても交流します。

 そしてキックオフ45分前、ついにスタジアムへ向かいました。ラグビーの試合中は、店も落ち着きハーフタイムに。ここまでのウェールズサポーターの飲みっぷりで、空のビール樽が山積みになります。

店長:
「めちゃくちゃ準備はしっかりしてたんで、けど本当にそれ(予想)通りにまさか飲むとは思ってなかったですね。試合にこれで(ウェールズが)もし勝った時は、さらにいいテンションで来てくれると思いますね」

 その願い通り、試合はウェールズが快勝!すると…。

(リポート)
「午後9時半を過ぎました。ウェールズのサポーターが店に戻り、ビールをまた飲んでいます」

 店と観客の後半戦が始まり、またしても飛ぶようにビールが出ていきます。そんな店先にメルさんが…。

メルさん:
「素晴らしい勝利だった。ジョージアも本当に素晴らしかった。とっても楽しかったよ」

 試合を満喫したメルさん、このまま帰るのかと思いきや、やっぱりビールを飲みます。

店長:
「これだけ賑わってくれるのは本当に最高ですね。(店に)ジョージアの方が来た瞬間、ウェールズの方たちがみんな拍手で出迎えていたので、ノーサイドという感じでした」

 ラグビーとビールを介した異文化交流。結局、最後までビールは売り切れることなく、消費量対決は店側に軍配ですが、おかげで観客は豊田の夜を楽しめたようです。