芸術祭『あいちトリエンナーレ』で、週末に大反響のパフォーマンスがありました。人気ロックバンド「サカナクション」が名古屋で実験的なライブ。なんと真っ暗闇の中でパフォーマンスするという前代未聞の試みだったんです。その自由すぎる表現を体験しました。

(リポート)
「会場にやってきました。すでに多くの人が今か今かと待ちわびています。私を含めてみんな黒い服装ですよ」

 実はこのライブ、ドレスコードは「暗闇で目立たない服装」。会場では黒いジャケットを貸し出すほどの徹底ぶりでした。

 ライブのタイトルは「暗闇」…。

 視覚を閉ざすと、音楽体験はどうなるのか。そんな前代未聞のライブにサカナクションが挑戦しました。

 人気ロックバンド「サカナクション」。これまで音楽だけではなく、映像や最新の技術を使って、表現の幅を広げてきました。

サカナクション・山口一郎さん(38):
「今まで光を使って色んなものを見せたり工夫してきたんですけど、暗闇っていう演出もあるんだなってことを知ったんですね。本当に完全暗転の中で音楽やったらどうなるのかなっていうのをずっと思ってたんですね」

 場内は完全な暗闇にするため撮影NG…しかし、入手した貴重なライブ映像を見ると、ドラの音とともにメンバーが登場。何も語らず一礼すると、それぞれ黒い箱の中へ…。

 そして、いきなり雷が鳴り響き、真っ暗に。自分の手や足も見えず、目を開けているのかどうかさえ分からない状態です。

 ちなみに、ヒット曲は一切歌わず、舞台の右、左、壁、天井、あらゆる方向から“音の洪水”。雨や風の音なども鳴っていました。何気ない自然の音も魅力的に感じます。ちなみに、場内でお茶を焙煎して香りを漂わせるという演出もありました。

 およそ1時間のライブはまさにあっという間に終了…。

名古屋から来た夫婦:
「見えてるのか見えてないのか、だけど気づいたら見えてるとか、本当は真っ暗なんだけど見えてる感じがしたりとか、すごい不思議な感じがしました」

女性:
「音だけで癒しとか恐怖とかワクワクみたいなのがこんなに感じられるんだなって」

 4日間で7公演1万5000人以上が体験。サカナクションの自由な表現は大きな反響を呼びました。

サカナクション・山口一郎さん(38):
「暗転にしてライブをするって発想としてはすごく安易だし、子供じみてて現実離れしてるんですけど、それを実現するとそこに新しいものが見えてくるわけですから、そういった少年の気持ちというか真面目に遊ぶというかそれを繰り返していくと新しいスタイルが見つかるんじゃないかなという気がしてますけどね」