愛知県豊橋市の寺で今年8月、仏像が盗まれているのが見つかった事件。盗んだ容疑者が判明し、仏像も無事見つかりましたが、仏像にはある不思議な現象が起きていました。

 安らかな表情を浮かべる仏像。この仏像が置かれているのは、お寺…ではなく、警察署。ある窃盗事件の押収品として複数の仏像が並べられていました。

女性:
「(みなさん仏像が)返ってきたらたぶん涙流して喜ぶと思います」

住職:
「なんというんでしょうかね…『心の安らぎを求める』じゃないですけども…」

 愛知県豊橋市の北東部にある嵩山町。人口およそ1400人の長閑な町にあるお寺「十輪寺」。

長楽寺・久納正弘住職:
「8月23日の時にお参りしようと思って開けたら、中が空っぽだったということで」

 今年8月、このお寺の「地蔵堂」に祀られていた地蔵菩薩が、何者かに盗まれているのが見つかりました。

 700年以上も前の鎌倉時代に作られたとみられるヒノキ製の仏像。年に1度の「地蔵祭」で地元の人が集まり、無病息災を祈る仏像で、こどもたちを守ってくれる「お地蔵さん」として代々愛されてきました。

地元の女性:
「(地蔵際には)子どもと一緒に行くのが当たり前だと思ってるので。残念だよね…」

地元の男性:
「唯一のお参りする仏さんだもんで、取り返したいわけよ」

 住民の願いがテレビや新聞で報じられた結果、仏像を盗んだ容疑者が明らかになりました。仏像はオークションに出品されていて、男性が落札。この男性がニュースを見て盗難品だと気づき、警察に通報しました。

 警察が捜査した結果、すでに別の窃盗事件で逮捕・起訴されていた豊橋市の古物商・大塚誠容疑者(42)が盗んだとみられることが判明。押収された数々の仏像の中から、十輪寺の仏像も無事見つかりました。

久納正弘住職:
「何事もなく安心して暮らせましたのも仏様のおかげですと、感謝の意を込めてお参りさてている方もいらっしゃる。とりあえず今は仏様が返ってきて何より」

 しかし、見つかった仏像にはある謎の現象が起きていました。

久納正弘住職:
「手と足が一部欠損していたもんですから、それがキレイに直っていた。盗まれた当時の格好ではないみたい」

 盗まれる前、壊れていた仏像の手や足が復活。比べてみると違いは明らかで、手に錫杖まで持っています。

 まさに、お地蔵さまミステリー…ではなく、実は大塚容疑者が出品した仏像をオークションで落札した男性が修復してくれていました。

 仏像が無事だったことに、町民は…。

女性:
「無事に見つかってよかったですよね。海外いってなくて(売られてなくて)、まだ国内にいたんだねっていう」

別の女性:
「『お帰りなさい』とみんなで言えたらいいかなと思います」

 大塚容疑者は「盗んだことは間違いないが、どこから盗んだか覚えていない」と容疑を認めています。

 仏像は、事件の証拠品として裁判が終わってからお寺に戻ってくる予定で、これまでのように地域の人たちを見守ってくれるはずです。
(最終更新:2019/10/17 18:09)