芸術祭『あいちトリエンナーレ』の企画展「表現の不自由展・その後」を巡る問題。18日、専門家らによる会議で報告書が取りまとめられ、運営体制の見直しなどを指摘しました。

『あいちトリエンナーレ』の企画展「表現の不自由展・その後」が一時中止された問題を巡っては、愛知県が有識者らによる検討委員会を設け、問題点を話し合ってきました。

 18日とりまとめた報告書では、展示を中止したことについて「脅迫などを受けていてやむを得ない判断で、表現の自由の不当な制限には当たらない」と結論付けました。

 また「実行委員会の会長を政治家である大村知事が務めていたことで、中止の決定が『検閲』にあたる恐れがあり、会長を民間から起用し責任を明確化するべき」と提言しています。

 このほか「表現の不自由展」の展示内容については「SNSの普及により、作品の意図と切り離されて多くの人に拡散された」として、「展示内容や展示手法に今後も留意すべき」と指摘しています。

 また、芸術監督を務めた津田大介さんについて「トリエンナーレ実行委員会に報告せずに『不自由展』の展示内容を決めるなど権限が偏っていた」として「芸術監督の権限を限定する必要がある」と提言しています。

 報告書の提言をうけ津田さんは…。

津田大介さん:
「事務局における安全対策の不備の責任を、一方的に僕が取らなければいけない、というトーンで書かれている。一方的に僕に責任を押し付けるものと言わざるを得ない。本来検証されるべきことが、隠れてしまったなという印象があります」

 津田さんは、自らに一方的に責任を押し付けているとして報告書の内容を批判しました。

「表現の不自由展・その後」を巡っては、8月1日の『あいちトリエンナーレ』開幕直後から抗議が殺到。翌日には脅迫FAXが送られる事件も起きました。そして、大村知事が2日後に展示中止を決めました。

 その後「不自由展」の展示は、閉幕の直前に再開しましたが、展示期間は閉幕までの1週間にとどまりました。

 またこの問題では、文化庁が「混乱が予想される展示内容を伝えずに補助金を申請した」として補助金7800万円を交付しない決定をしていて、大村愛知県知事が文化庁の決定に不服を申し出ています。

 さらに、名古屋市の河村市長は市の負担金のうち、3380万円の支払いを拒否していて、総額は1億円以上に上ります。

 愛知県は『あいちトリエンナーレ』の収支を「およそ8000万円の黒字」と発表していますが、補助金などが支払われないとなると、黒字分で補填しても3000万円ほどを県が補填しないといけなくなる恐れがあります。
(最終更新:2019/12/19 12:44)