新型コロナウイルスの感染が確認された渡航歴のない奈良県の男性。業務でバスを運転中、車内で感染した可能性が指摘されています。

 バスや電車などの公共交通機関を利用する私たちが気を付けるべきなのか、名古屋市衛生研究所の柴田部長に伺いました。

 新型コロナウイルスへの感染の有無を検査できるよう準備を進めている名古屋市衛生研究所。新型肺炎を防ぐために私たちはどうするべきなのか、検査の指揮を執る微生物部の柴田伸一郎部長に話を聞きました。

柴田伸一郎部長:
「肺炎を起こすウイルスなので、呼吸器に主に感染する。近い距離で咳やくしゃみを浴びたりすれば、当然感染するリスクは高い」

 今回の新型肺炎で奈良県のバス運転手の男性は、バスの車内で感染した可能性が指摘されています。ポイントは新型コロナウイルスの感染理由の一つとされる『濃厚接触』。

 濃厚接触とは、2メートル以内で30分以上ともに過ごすことを言います。運転席と客席という距離感でも濃厚接触になるのでしょうか。

柴田部長:
「バスの運転手さんは、通路を皆さんが乗り降りの時に通られるじゃないですか。その距離というのはかなり近いですよね。後ろのほうに座っていたとしても、乗り降りの時に咳やくしゃみをされれば運転手さんが感染する可能性は十分あるのかなと思います」

 では、私たちがバスや電車など公共交通機関を使うときに気を付けるべきことは…?

柴田部長:
「くしゃみなどが飛び散ったところを触ってという感染も起こりえますが、(手や指からの感染よりも)それを触った手で口や目を触って粘膜から感染すると考えられています」

 しかし電車やバスでは、どうしてもつり革や手すりを触る機会があります。

柴田部長:
「外へ出て取っ手とか吊革などを触った時には、口や目に触れずに、なるべく意識して触れないようにして、家へ帰ったらきちんと手洗いをする」

 感染を防ぐために有効と言われているのは、手洗いやうがい、それにマスクの着用。しかし、ここにも落とし穴があるといいます。

柴田部長:
「マスクは感染を防ぐという意味では、『あまり過信をしないで』いただきたいと思います。分泌物などが乾燥してウイルス粒子になったときには、通常のマスクですとウイルス粒子は通過してしまいますので、完璧に防ぐのは難しいと思います。逆に感染をしている人は必ずマスクをしていただきたい。咳やくしゃみで飛び出すときに、ウイルスだけで飛び出してくるわけではなくて、体の分泌物がウイルスに引っ付いて飛び出してくる」

 柴田部長は新型肺炎に有効なワクチンができるまでにはまだまだ時間がかかるとしていて、「新型コロナウィルスによる肺炎のワクチンは期待しないほうが良い」と話しています。

 また、アルコールによる消毒は有効で、アルコール消毒ができるウェットティッシュでこまめに手をふくことが大切だと指摘しています。