新型コロナウイルスの影響は意外なところにも及んでいます。それは「選挙」。愛知県の大府市長選挙が15日告示されましたが、選挙の定番である握手もできなくなるなど、もどかしい選挙戦となったようです。

 15日告示された愛知県の大府市長選挙。

 出馬した現職の岡村秀人さんの出陣式には支援者らも集まり、通常の選挙と特に変わらないように見えますが…。

岡村候補陣営の大西さん:
「分かりやすくするために、こういった形で絵にしてあります」

 選挙事務所の入り口には握手自粛のマークが。選挙戦といえば、一人でも多くの有権者と握手をしようと候補者が駆け寄るものですが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大が続くさなかの選挙で、握手は自粛…。

 そこで岡村さんは、腕と腕をクロスさせる不思議なポーズで支援者と交流していました。

Q.これ(ポーズ)は市長が考案されたんですか?

岡村候補:
「いえいえ、どこかでやっていました。スポーツ選手がやっていたのをこれはいいなと思って」

 対応に頭を悩ませていたのは、握手だけではなく出陣式も。前回は200人以上集めた出陣式でしたが、今回は国会議員などの来賓を招待せず参加者は5分の1に。

 出陣式自体も挨拶を少なくするなどしてわずか10分程に短縮しました。

Q.拍手がないと寂しい気もしますけど…?

支援者:
「みなさんこういう時期だから、承知はしてると思う」

別の支援者:
「ちょっと拍子抜けみたいなところありますね。いろいろな方からご挨拶いただいたり、今後に向けてのマニフェストとか、そういったものを聞けないということが残念と言えば残念」

 選挙戦を共に戦うスタッフや、集まった支援者も、ほとんどがマスク姿。しかし、岡村さんは一切マスクをつけていません。これにはこだわりがあるそうで…。

岡村候補:
「有権者の方に候補者の顔を見ていただかないといけないという思いで、これまで自分の体調維持にはじゅうぶん留意してまいりましたので…。(Q.体温は測られてきましたか?)毎日やっています。(今日は)6度5分です」

 街頭演説も聴衆に近づかないようにして、離れた距離で支援を呼びかけていました。しかし、支援者から駆け寄って握手を求められると、戸惑いながらも応じます。

Q.(握手を求められると)せざるを得ない?

岡村候補:
「そうですね、市民のアツい気持ちですから、こういう時期ですけど握手で受け止めていきたいと思っております」

 政治家の性なのか、自粛しているはずの握手で応じてしまいました。

 試行錯誤の「新型コロナ」対策で、今回初めての挑戦も…。選挙戦に合わせて急遽SNSを開設。直接会えない有権者に政策などを届けていました。しかし、66歳の岡村さん、SNSにはあまり馴染みがないようで…。

岡村候補:
「残念ながらまだガラケーなんです」

支援する議員らの力を借りて、なんとか初めての「ネット選挙」に取り組んでいました。

 そして15日午後5時…。

岡村候補:
「本当にありがとうございます」

 結局、岡村さん以外に立候補者はなく、“無投票”で当選。「有権者と触れ合えない選挙戦」は1日で幕を下ろしました。

岡村候補:
「市民の方に近づかない遠くからお話をするということで、場所によっては相手に伝わっているのかよくわからない場面もございました。本当に、ほっとしたと…」

 今回の選挙では投開票は行われませんでしたが、投票所での対策はどうすればいいのか。近い日程で選挙の予定がある愛知県碧南市に対策を聞いてみました。

 碧南市では4月12日告示で市長選と市議選が予定されています。投票所の入り口にアルコール消毒液設置したり換気を徹底したりするという基本的な対策を予定しているということ。

 さらに「投票用紙に記入するえんぴつを1回使うごとに消毒」や、「記載台を1人分間隔をあけて使用する」といった対策も行うということです。

 また、まだ検討中の策として、投票に来た人に「ゴム手袋を配る」案も出ているようです。