毎日感染者が増え続ける新型コロナウイルス。先日肺炎で亡くなったタレントの志村けんさんの兄・知之さんは遺骨を抱えながら「最後に立ち会うこともできなかったことが悔やまれる」と話しました。

 感染し亡くなってもしばらくはウイルスが残っているため葬儀を行うことは難しいのが現実です。名古屋でその実情を取材しました。

葬儀場 お別れルーム・旅立ちの菱川支配人:
「志村けんさんと同じような形で、病院で息を引き取られましたら、病院から火葬場の方に直接お連れする形になると思います」

 名古屋市中川区にある葬儀場「お別れルーム・旅立ち」。病院で死亡した場合、葬儀社が遺体を引き取り葬儀を行う場合がほとんどですが、新型コロナウイルスの場合は事情が異なります。

菱川支配人:
「病院の方でご遺体のお引き渡しの際はですね、納体袋という袋に故人様が納められている状態になりまして、その際私どもも、病院の方にお棺をお持ちさせて頂く状態で、目張りなんかもさせていただきますので、ご家族様は故人様とお会いするのは少し難しいと思います」

 通常、病院から運ばれた遺体は葬儀場で棺に納められますが、さらなる感染を防ぐために病院で納棺を済ませます。さらに…。

菱川支配人:
「棺もですね、一見密封されているように見えるんですけども、当然蓋の部分ですとか、窓の部分にはどうしても隙間がありますので、こういったところはウイルスが出ないような形でテープで目張りをさせていただくという形になります」

 棺は完全に閉じられてしまうため、故人の最後の姿を見ることは叶いません。

 こちらの葬儀場ではまだ、感染者の死亡事例を扱ったことはありませんが、納棺の際に従業員が使う防護服を用意して備えています。

菱川支配人:
「ご依頼があった際にはですね、故人様のご家族様と連絡を取らせていただきまして、まず先に火葬させていただくことをお勧めさせていただきまして、そのあと、お骨になった状態で葬儀・告別式を行うことをご提案しております」

 新型コロナウイルスでいつもとは異なるのは葬儀場だけではありません。火葬場もまた感染防止のため異例の対応をとっています。

 名古屋市には二か所の火葬場がありますが、感染した遺体の火葬は“名古屋市立第二斎場”のみで行っていて、今日までに15件の火葬を行いました。

担当者:
「15時以降ということで、こちらの方でやらさせていただいております。必ず予約をしていただいてから、こちらのほうに来ていただいているのが現状でございます」

 通常、名古屋第二斎場の火葬は午前9時45分から午後3時までですが、新型コロナ感染で亡くなった場合は、一般の火葬が終わった午後3時以降に限定されています。

 第二斎場では火葬が終わった後の収骨する部屋や遺族の待合室などの消毒を徹底して、施設からの感染を出さないようにしているということです。