暖かく“お出かけ日和”となった週末の名古屋。しかし桜の名所も、そして夜の繁華街も、例年とはガラリと様子を変えていました。

 最高気温21.7度と、うららかな春の日差しに包まれた4日の名古屋。桜の名所・鶴舞公園ではソメイヨシノおよそ700本が満開を迎えました。しかし…。

(リポート)
「看板には、飲食をともなう宴会を控えるよう書かれています」

 大人数での宴会の自粛や咳エチケットの徹底を呼び掛ける立て看板が…。例年はビニールシートを敷いて宴会を楽しむ人でいっぱいの園内も人影はまばら。食事を楽しんでいるグループも、人数は少なめです。

男性:
「去年もっとブルーシートしっかり敷いて、ワイワイやってましたけどね」

女性:
「前(去年)は座る場所もないみたいな。(場所取りは)特にしてないです、(普段なら)前日とかからしますよね」

 さらに…。

(リポート)
「例年ですとこのあたりに多くの屋台が並ぶんですが、今年は1店舗もありません」

 お花見の醍醐味といえば屋台グルメですが、今年の出店はゼロ。去年は10台以上並んでいたキッチンカーの姿も見当たりません。結局、この日の花見客はおよそ3400人と、人出は去年の同じ時期と比べて5パーセント以下にまで激減しました。

 さらに、夜の街でも…。

(リポート)
「名古屋駅の新幹線口です。このあたりは飲食店が多く営業をしているお店もあるんですが、ただ人通りはかなり少なくなっています」

 4日午後7時。居酒屋など多くの飲食店が軒を連ねる名古屋駅周辺を歩いてみると、店は開いているものの、人通りはほとんどありません。

居酒屋の従業員:
「(お客さんは)10分の1以下ですよ。通常週末というと名古屋駅ですからね、人があふれるような…。飲食店なんかは特にそうですよね。今は正直、全然人通りが絶えている状況です」

 ちょうどこの日は、焼き鳥の『鳥貴族』や居酒屋の『串カツ田中』といった大手飲食チェーンが臨時休業をスタートさせたばかり。小さな規模の居酒屋を覗いてみてもお客さんの姿は見当たらず、いるのはスタッフばかりです。

 そんな中、人を集めていたのは…。

(リポート)
「立ち飲み屋さんが軒を連ねるあたりですが、お客さんが結構入っているお店もありますね」

男性客:
「週に1度の楽しみなんで、これくらいならいいかなと」

別の男性客:
「ここだったら外だからちょっとでもいいかなと…。立ち飲みだから」

 短時間で気軽に寄れるとして人気の立ち飲み屋。それでも、いつもの週末と比べると客足は半分近くにまで落ち込んでいるといいます。

店員:
「めっちゃめちゃ少なくなってますね。めっちゃ少ないです。アルコールのスプレーを、来て頂くお客さんにまずやってもらったりとか。(店を)閉めることはやっていないけど、会社とも考えようだなという話にはなっています、現状では」

 客足の大幅減は、名古屋駅だけではありません。

 もう1つの繁華街、栄に店を構える『博多串焼き・八乃助』

 名物の和牛すき焼き串や、女性に人気というレタスの肉巻き手羽塩など、豊富な串ダネを客の目の前で焼き上げるスタイルで、2019年のミシュランガイドにも掲載された名店です。

店主:
「席の埋まり状況は、4月に入ってからは急に流れが変わった感じですね。きょうはまだなんとかなった方なんですけど、通常、土曜日ですとだいたい2回転から2回転半という営業が多いのですが、きょうは1回転なんとか埋まった。それも当日来ていただくお客様で、予約はほとんどキャンセルです」

 新型コロナ感染拡大の影響で、お客さんの数はピーク時の半分以下にまで減ってしまいました。

店主:
「本当に経営させてもらって6年でこれだけ厳しい事を経験したのは初めてなので…」

 資金繰りなどを考えると、個人経営の店ではなかなか休業の決心がつかないといいます。

店主:
「どうしたらいいかわからないというお客様が、一番多いと思うんですよ。やるしかないなという状況が正直なところですね」

 この日来ていたのは、ほとんどが常連のお客さん。

男性客:
「気持ちとしてはしょっちゅう来たいけど、時世もあるしね。賛否両論、名古屋は今難しいからね。清潔感もって普段からビシッとやっていれば、コロナだからっていうか一緒かなとは思うんですけどね」

店主:
「美味しい焼き鳥食べさせてよと言っていただくお声が僕らの原動力にはなりますので」

 常連の応援を心の支えにしつつも、このまま感染拡大が続けば違う営業のスタイルも検討していかなければいけません。

店主:
「焼き鳥のお弁当やお肉の真空のような形でお渡しするような、何か少しでもできることをやりたいなと、今スタッフと一緒に考えている最中です」

 さらに、自助努力だけでは厳しいと政治的なバックアップにも期待を寄せます。

店主:
「補助金制度とかで助けがあると助かるかなというのが正直な気持ちですね。一番求めるのがスピード対応というか。これがゴールデンウィーク明けや夏になるのか、本当に法を整備していただいて早い段階で助けていただけるのかというのは、僕らにとってはかなり重要な話になってきますので、少しでも早い対応が…。もちろん、うちも頑張っている社員もいますし、その家族のこともありますので、いざ休業で補償も出ないとなると、お店には資金力も正直ないので、これからどうなのかと先が見えない不安がありますね」
(最終更新:2020/04/07 07:45)