新型コロナウイルスに感染した可能性がある場合、市民からの問い合わせを受けているのが「帰国者接触者相談センター」です。愛知県内には31か所あり、それぞれの地域の保健所がその業務を担っています。

 岡崎市の保健所を取材すると、職員に大きな負担がかかっていることで、新型コロナ以外の業務に大きな問題が生じていました。

 愛知県岡崎市の保健所。電話口で職員が受けているのは、「新型コロナウイルスに感染しているのではないか」という市民からの相談。多い時期には、1日およそ120件にものぼりました。

担当職員:
「(電話相手に)お熱以外の症状はどんな感じですかね。せきが出るとか、喉が痛いとか。…胸の痛み、ハイ」

別の担当職員:
「(電話相手に)そうしたらですね、医療機関に行った方がいいですので…」

 体温や症状が出始めた時期などを聞き取り、感染の可能性を判断。帰国者・接触者外来の受診を勧めるかどうかを決めています。そして、もう一つの重要な業務が…。

岡崎市保健所生活衛生課の担当者:
「お熱がどうかとか、せきが出るかとか、そのほか体調で気になることがあるかどうかということを聞いています」

 感染者と接点があった人たちの健康観察。発熱や咳などの症状が出ていないか、ウイルスの潜伏期間とされる2週間にわたって聞き取りを続けます。

 毎日連絡をすることで、体調に異変が起きた際、すぐに医療機関の受診やPCR検査につなげられるほか、行動を自重するよう促し、感染拡大を防ぐ狙いがあります。

 愛知県では、2月中旬から感染が広がり始め、その後、一気に拡大。これに伴って問い合わせも急増したことから、岡崎市保健所は、担当の部署に他の部署から職員を回して対応に当たってきました。しかし、新型コロナウイルス以外の業務にはその皺寄せが…。

岡崎市保健所の担当者:
「子どもの検診とか、大人のがん検診とか、そういう検診の関係は休止をしている状態です」

 乳幼児健診をはじめ、保健所が無料で行う育児相談や、HIVの検査などが休止に。さらに…。

安倍総理(5月4日の会見):
「検査件数がなかなか増加しなかった要因として、各自治体における保健所の業務過多や、検体採取の体制などが挙げられています」

 国はPCR検査の数を増やす方針ですが、岡崎市が現状検査できる数は、1日にわずか8人。検体を採取する人員や試薬の確保といった課題は、多くの保健所に共通しています。

岡崎市保健所の担当者:
「皆さん検査ができる体制がとれれば、本当に一番いいんじゃないかなとは思うんですけれども。岡崎市についても、検査ができる機関も多くはありませんので、希望の方皆さんに検査を受けていただくっていう体制が、まだできているとは言えなくて」

 感染の広がりが抑えられている今だからこそ、いつ起きてもおかしくない、「第2波」を想定した体制の整備が求められています。