新型コロナウィルスの影響で苦境に立たされる飲食店。こうした中、名古屋の老舗料亭が生き残りをかけ、新たにデリバリーサービスを開始。

料亭の味が自宅や職場で楽しめるようになります。

 名古屋・栄の「料亭蔦茂」。創業107年の老舗です。

 揚げたての天ぷらに炊き立ての釜飯。この店の4月の売上は、前の年に比べ実に9割も減りました。

料亭蔦茂の深田会長:
「私ども107年の歴史で、昭和20年の戦災で丸焼けになりました。それと同じくらいの大きな打撃ではないでしょうか」

 そこで、生き残りをかけ新たに始めたサービスが、お弁当のデリバリー。

若鮎の塩焼きなど、初夏の食材を使った季節の彩御膳(2160円)に、海老と野菜の天ぷらがたっぷり入った天バラ御飯(1296円)。

料亭としてはリーズナブルですが…。

山口総料理長:
「私たちは料理人ですから、料理が作りたいんですよ。普段やらない価格でも思いをこめて、一折に詰め込んで提供したいなと」

 できあがったお弁当を宅配するのは、お店の人ではなく「タクシー」。

利用客が大幅に減る中、国交省は4月、タクシー業者が食品などを運ぶことを特例で認めました。

 売上減に苦しむ「つばめタクシー」は、4月28日からデリバリーを開始。

基本料金は3キロまで1000円、5キロまで1500円などとなっていて、「料亭蔦茂」の場合、5000円以上注文すると3キロ以内は無料です。

 この日注文したのは中区の会社は、在宅ワークができない従業員をねぎらうため、社長が注文しました。

女性社員:
「おいしいですね」

社長:
「蔦茂さんの料理をお弁当でここで、自分のオフィスで食べられると、これがいいですね」

 この日は、別の場所にもデリバリー。料理代金が1万円以下なら、その場でタクシー運転手に現金を渡すことができます。

注文した客:
「今、デリバリーはいろいろありますけど、タクシーっていうのは安心できるなって。頼みやすいところじゃないかなって思います」

つばめ自動車の沢井副社長:
「いくらコロナで外出自粛が終わっても、すぐじゃあ全員が今までどおり外に出るというわけではないと思いますので。人の輸送だけではなく、私どもタクシーとしてやれることをまた新たにをやっていきたいと思っております」

 また、「料亭蔦茂」も。

深田会長:
「調理長自ら、2000円の弁当をですよ。1万3000円以下はやらないという人たちがですね、一生懸命やってくれる。すごいこれ意識改革なんです」

 苦境に立つ老舗料亭とタクシー業界。生き残りをかけた、新たな取り組みが始まっています。