蛇行や急ブレーキなどでまわりの車を危険に巻き込む「あおり運転」が全国で相次ぐ中、罰則を強化した「妨害運転罪」が新設され、6月30日に施行されます。

かつて家族を乗せた車が「あおり運転」の被害にあった愛知県西尾市の男性が、罰則強化について語りました。

 幼い女の子たちのすぐ後ろに迫る大型トラック。挑発するようにクラクションを鳴らし、急接近してきます。

運転手の男性:
「なんであおられてるの?」

トラックは左側の車線から追い越していくと、車の目の前に割り込んできました。

被害に遭った男性:
「(子供は)かなりびっくりしちゃってて、嫁もどうしたらいいかっていう感じでかなり慌てちゃってる感じ。あんな大きな車に突っ込まれたら、確実に潰れて死んじゃうんで、多少なりとも死を感じたのかなと思います」

家族の命を脅かした「あおり運転」。その後逮捕・起訴されたトラック運転手の処分は、暴行罪で罰金10万円。

被害に遭った男性:
「車で威圧的な行動をとるなんていうのは、拳銃とかぐらいの力はあると思うので、もっと処罰的には重くても良いのかな」

 あおり運転の厳罰化が必要と話す、西尾市の会社員の男性(28)。被害にあったのは2018年12月、知立市から刈谷市にかけ国道23号線を走行中、突然、後ろを走っていた大型トラックにあおられました。

男性の車は3列シートの乗用車。当日は家族で買い物に向かう途中で、一番後ろの座席に当時2歳と4歳の娘が乗り、2列目の座席に乗った妻が「何かあった時のために」と、とっさにスマートフォンで撮影しました。

後ろを走るトラックのナンバーやヘッドライトの部分しか見えていないことから、至近距離に接近していたことが分かります。さらに…。

被害に遭った男性:
「クラクションをすごいリズムよくじゃないですけど、ふざけている感じでかなり長い距離。子供とか嫁が乗ってる中、そんなことされて、それに対しての怒りというのがかなり大きかったですね」

こうしたあおり運転やクラクションの挑発行為は、およそ2キロにわたり続いたといいます。

 後を絶たない「あおり運転」。急ブレーキに、蛇行運転。5月に一宮インターであった「あおり運転」の映像。大事故にも繋がる危険な運転でしたが、逮捕容疑は「暴行」。

愛知県の東名高速で起きた衝撃的な「エアガンあおり運転」も、道交法違反で罰金5万円の略式命令。

常磐道の「あおり運転殴打事件」のように、より罰則の重い強要罪が適用されたのはまれなケースで、厳罰化を求める声が高まっていました。

 この「あおり運転」が6月30日から「妨害運転罪」として規定され、罰則が強化されます。

これまで「あおり運転」をした場合、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」の暴行罪などが適用されてきましたが、妨害運転罪では「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と罰則が厳しくなります。

また、高速道路で他の車を停止させるなど著しい危険を生じさせたケースは、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」とさらに罰則が厳しくなります。違反点数も引き上げられ、いずれのケースも即免許取り消しになります。

西尾市の男性のケースでも、「妨害運転」に該当する可能性のある行為がいくつかあります。

まずは車間距離を詰める行為、執拗なクラクション、左側からの追い越し、そして急な車線変更。これらはいずれもあおり運転の対象となる行為に規定されています。あおり運転の罰則強化に男性は…。

被害に遭った男性:
「罰金刑が増えたりだとか意識が高まっていくうえで、一般的に乗っているドライバーがドライブレコーダーを常に付けてたりだとか、そういうのが増えていけば(あおり運転は)減っていくのかなと思います」

※画像は視聴者撮影※動画の一部は視聴者と愛知県警提供
(最終更新:2020/06/27 13:32)